筋肉をつける上では、筋トレなどの運動を行う他にも筋肉の成長に必要な栄養素を摂取することも大事です。
特に筋肉をつける上で欠かせない栄養素として挙げられるのが「たんぱく質」です。たんぱく質は肉や魚等に多く含まれていますが、筋肉の材料となる他にも筋肉の疲労軽減や修復にも効果が期待されています。
このたんぱく質を効果的に摂取できるサプリメントとして人気なのが「プロテイン」です。 プロテインとはたんぱく質を英語で表記したものであり、様々な形状がありますが、粉末を水や牛乳に溶かして飲むのが一般的です。
プロテインの効果をより実感するには、ただ飲むだけでなく「いつ飲むか」ということも大事。 今回は、プロテインを寝る前に飲むとすごく効果的な理由について書いていきます。
筋肉がつくメカニズムとプロテインの役割について
まず、筋肉はどのようにして成長するのかについて解説します。
筋肉は「破壊」と「修復」を繰り返す過程で少しずつ大きくなっていきます。筋肉は数百もの筋繊維によって構成されていますが、筋トレなどの運動を行うことで筋肉に負荷がかかると、筋繊維が破壊されていきます。
一度破壊された筋繊維は修復を始めます。 そして、筋肉が完全に修復された際、筋繊維が破壊される前よりも太く強い状態になります。これを「超回復」といいます。
そして、超回復の過程でプロテインを摂取することにより、筋肉の修復が促進され、強く太い筋肉にすることができます。
筋肉を大きくした人(定期的に筋トレを行う人)の場合、1日あたり体重×2gのたんぱく質摂取が必要とされます。 例えば、体重が70kgの人の場合は1日あたり140gのたんぱく質が必要ということです。
たんぱく質は肉や魚に多く含まれると解説しましたが、食事だけで、しかも毎日必要な量を摂取するとなると、かなり大変です。 そこで役に立つのがプロテインです。 プロテインは現在では国内外の数多くのメーカーから販売されていますが、概ね1食あたりで15g〜20gほどのたんぱく質を摂取できます。
メインのたんぱく質源は食事から摂取するのが理想ですが、食事だけで摂取しきれない部分をプロテインで「補う」ことで効率的にたんぱく質を摂取することができます。
寝る前のプロテインが効果的!その理由とは?
プロテインを飲んで筋肉を大きくしたい場合には、まずは確実に運動後のタイミングで摂取することが大事です。 運動後は栄養が枯渇しているので、このタイミングでプロテインを摂取することで吸収力が高まり、すばやく筋肉にたんぱく質を送り込むことができます。
では、今回のテーマでもある「寝る前」はどうなのでしょうか。
寝る前にプロテインを飲むことに関しては様々な意見がありますが、結論としては「あり」だと言えます。 以下、寝る前にプロテインを飲むのがありな理由について解説します。
筋肉は破壊と修復を繰り返す中で成長すると解説しましたが、その筋肉の修復が促進されるタイミングこそが「寝ている時」です。 寝ている間、成長ホルモンが分泌されますが、この成長ホルモンは筋肉の修復を促したり、体脂肪の燃焼という役割も果たしています。
また、成長ホルモンのもう1つの特徴として、たんぱく質の吸収を促すという働きがあります。 たんぱく質の吸収が促されればされるほど、筋肉に対して必要な栄養素を送り込むことができるので、結果的に筋肉の修復・成長に効果を発揮してくれます。
プロテインであれば、寝る前でも水や牛乳に混ぜてシェイクするだけで飲むことができるので手間がかからず、簡単にたんぱく質を摂取できます。また、寝る前にプロテインを飲むことが「あり」なもう1つの理由として、筋肉の分解を防ぐことができるからです。
筋肉はたんぱく質(アミノ酸)で構成されていますが、長時間栄養を摂取できないと、足りない栄養素を補うために筋肉をアミノ酸に分解してエネルギーにしてしまいます。 つまり、寝ている間は何も食べることができないため、筋肉が分解されてしまいやすいタイミングであるといえます。
しかし、寝る前にプロテインを飲むことで、寝ている間も筋肉に栄養を送り込むことができるので、筋肉の分解を抑制することができます。 こうした理由から、寝る前にプロテインを飲むのは「あり」ということが言えます。
寝る前にプロテインを飲む際の注意点
前項目で寝る前にプロテインを飲むことは「あり」だと解説しましたが、よりプロテインの効果を高めたり、身体への負担を軽減するためには、以下の点を注意する必要があります。
まず、プロテインは飲むタイミングが大事です。 「寝る前」と言っても、寝る3時間前なのかそれとも10分前なのか、漠然としています。 プロテインを寝る前に飲む場合は、就寝時間の30分〜1時間前を目安にして飲むようにしてください。
寝ている間に分泌される成長ホルモンは、寝始めてから30分ほどしてから分泌されると言われています。 寝る前30分〜1時間にプロテインを飲むことで成長ホルモンの分泌にタイミングをあわせることができます。
また、寝る前の直前にプロテインを飲むとお腹が張ったような感覚があり、入眠の妨げになることもあります。 あまり食欲が旺盛で無い人の場合は、寝る前の1時間前くらいにプロテインを摂取しておくと眠りを妨げるリスクも少なく済みます。
また、プロテインは水や牛乳で溶かして飲むのが一般的ですが、水で溶かして飲む場合と牛乳で溶かす場合では、」吸収のスピードが異なります。 水で溶かすとすばやく吸収され、牛乳だと緩やかに吸収されます。 寝ている間は数時間何も食べれないことを考えると、できるだけ緩やかに吸収されるほうが望ましいので、牛乳で飲むというのも考え方の1つです。
ただし牛乳で溶かして飲むとカロリーもその分摂取することになるので、ダイエット中の人は水で溶かして飲むことをおすすめします。
その他、プロテインを飲むおすすめのタイミングとは?
プロテインを就寝前に飲むのは理にかなっているといえますが、その他にもプロテインを飲むのに適したタイミングがあります。 まず、「運動後」のタイミングは確実にプロテインを飲みたいところです。
運動を行なった直後は、運動の強度にもよりますが、筋肉が疲労しています。 特に激しいトレーニングで身体が疲弊している状態を飢餓状態といいますが、このタイミングで栄養を摂取することで、通常のタイミングよりも吸収効率が高まります。 逆に飢餓状態を放置してしまうと、筋肉がアミノ酸に分解されてしまい、むしろ筋肉が小さくなってしまう可能性もあります。
トレーニング後にプロテインを飲むことですばやく筋肉に栄養を送ることができれば、分解の抑制・合成の促進という効果を得ることができます。 運動後にプロテインを飲む場合は、吸収力をより高めるために水で飲むか、もしくは少々の糖質と一緒に飲むことをおすすめします。
プロテインに無理に砂糖を入れるのではなく、例えばオレンジジュースやスポーツドリンクでプロテインを溶かせば、適度な糖質を摂取できます。
もう1つプロテインを飲むのに効果的なタイミングとしては、「起床後」をおすすめします。 起床後はトレーニング直後と同様に飢餓状態にあるので、やはりここでプロテインを飲むことですばやく吸収されていきます。
朝ごはんと一緒にプロテインを飲んでもいいですし、朝食欲が無いという人でも、何も食べないのではなく、プロテインだけでも飲むだけで大きく筋肉の成長が変わって来ます。
プロテインは「寝る前」「運動後」「起床後」に飲むことを意識しましょう。
プロテインを生活にうまく取り入れることが大事
今回はプロテインを寝る前に飲むのは「あり」か「なし」かについて解説してきました。 以前はプロテイン=筋肉増強剤という誤った認識がされていましたが、現在では筋肉の成長をサポートする存在として、運動をする人はもちろん、女性やお子様にも愛用されています。
まずは、食事から必要な栄養素を摂取することを意識した上で、プロテインをうまく組み合わせることでより健康的で理想的な体型を手に入れることができます。 寝る前のタイミングを始め、効果的なタイミングでプロテインを飲むようにしましょう。