ダイエットやボディメイクなど最近注目を浴びている筋トレですが、筋肉痛との縁は切っても切れないものです。できれば筋肉痛にはなりたくないものですが筋肉の成長には必要不可欠で、しっかり筋肉痛と向き合えるかどうかによって今後の筋トレ生活が変わっていくでしょう。
本記事では筋肉痛についての基礎知識から筋肉痛との付き合い方、さらに筋トレで筋肉を強くするのに必要な超回復のことまで紹介していきます。正しい筋肉についての知識を得ることで最大限の効果を得られますので、一緒に学んでみましょう。
筋肉痛の時に筋トレをしてもいいのか?
筋トレ初期には、筋トレをすればする程体の変化が感じられて、毎日やりたいと思う方も多いと思いますが、筋肉痛の時は筋トレはやめましょう。その理由としては大きく分けて2つあります。
1.筋肉の成長を阻害するため
筋肉痛が起きている間というのは筋肉が損傷している状態ですので、体の反応としては損傷した筋線維を回復しようとしています。筋肉が回復する前にまた筋トレをして筋肉を損傷するということは、筋肉量が減少する原因になります。筋肉痛の時はしっかり休むようにしましょう。
2.正しいフォームで筋トレができない
痛みが伴っている部位の筋トレをしようとすると痛みによって筋肉が硬直します。硬直は体の正常な反応なので制御することは難しいですし、硬直することで正しいフォームが崩れること鍛えたい筋肉に対しての負荷が他の筋肉に逃げていきます。
せっかく精一杯筋トレをしていても効果的なトレーニングにはならないので、筋肉痛の時は休む事が重要です。
もしくは、トレーニングプログラムを作る時に分割法という手法を取り入れ、全身ではなく胸、背中、肩など部位別にトレーニングすることによって筋肉痛を避けてトレーニングしましょう。
つぎに、筋肉痛の部位はしっかりと休息させる方が良い理由です。
筋肉が成長する為に必要な要素は3つです。
①正しいフォームと正しい負荷での筋トレ
②適切な栄養バランス
➂しっかりとした休息
これのどれかが欠けても筋肉の成長は著しく下がり、せっかくトレーニングをして追い込んでも筋力も筋量もそこまで向上しません。筋肉痛の時はしっかりと筋肉が回復するように適切な栄養を取り、しっかりと休息しましょう。休息もトレーニングの一環です。
筋肉で何が起きている?筋トレで筋肉痛になるメカニズム
久々の筋トレや負荷強度を上げた時の筋トレで必ず起こる筋肉痛ですが、一体筋肉に対して何が起こっているのでしょうか?
筋肉痛とは筋肉の筋線維の損傷による痛みだと考えられています。厳密に筋肉痛は解明されていない部分が多いのですが、一般的に筋肉痛が起きている時は筋肉が損傷していて生じる痛みだと言われています。筋肉痛になると筋肉を動かすことが辛くなり、痛みがより強い場合は普段の生活に支障をきたすことがあります。
それは筋トレなどの負荷に対して筋肉量が足りないために損傷、炎症を起こしているのです。普段から筋トレをしている人や毎日スポーツをしている人は常に筋肉痛になるのではなく、逆に筋肉痛になりにくいと感じているはずです。
普段からスポーツしている人は筋肉痛になりにくい理由
その理由として、筋肉は負荷に対して慣れているからです。筋肉痛は筋線維の損傷によって起こりますが、いつもと同じような筋トレメニューを繰り返していると筋肉が負荷に慣れてくることで筋線維が損傷しにくくなります。
慣れによって損傷しなくなった筋肉は、増強する必要がないため成長スピードや効率が下がります。そのため、ほどよく筋肉痛になる程度の負荷を目標として、普段のトレーニングメニューを組んでみましょう。
筋トレで損傷した筋肉をさらに強くする【効果的な超回復の方法】
筋肉を強くするためには超回復が必要不可欠です。超回復とは筋トレで損傷した筋線維を回復する際に、元の筋肉よりも大きく成長させることを言います。これには約48~72時間ほどかかると言われています。
筋肉痛の間は、必要な栄養を取りながら休息させることでしっかりと強い筋肉を作ることができます。
筋肉を超回復させる時に適切なタンパク質の摂取量
より超回復させるために一番大事なことは食事です。栄養の中でも特に筋肉の材料にもなるタンパク質が必要で、1日の摂取量をしっかりと意識することで、超回復が効果的に行われます。
【1日に必要なタンパク質の目安】
一日の必要な目安としては最低でも体重×1.5gを基準に最低でも摂取するように意識しましょう。
例)・体重が60キロの方の場合はタンパク質量90g
・体重100キロの方は150g
【筋肉の肥大を目指す場合】
体重×2g以上を摂取すると筋肉量を減らすことなく、効率的に筋肥大させることが可能です。
筋肉の超回復が一番活発な時間帯にプロテインを飲む
食事だけで必要量のタンパク質量を摂取するのは非常に難しいため、プロテインなどのサプリも利用することで簡単にタンパク質を摂取することができます。
その他、筋トレ後の30分以内はゴールデンタイムと呼ばれており、超回復が一番活発な時間なのでゴールデンタイムに合わせて短時間で補給できるプロテインを飲むようにしましょう。
【体の部位別】筋トレの筋肉痛によって起こる超回復!
筋肉痛の部位によってどこの筋肉に負荷が入って超回復しているのかがわかります。それによって筋肉が筋トレ前よりも大きく、強くなります。筋肉の部位毎に役割や起こりうる変化が色々ありますので、それを先に知って筋トレメニューの組み方の参考にしてみてください。
1.腕の筋肉
腕を曲げた時にコブができるのが上腕二頭筋といい、肘を曲げる時に主に働く筋肉になります。それとは逆に上腕骨の背中側にあるのが上腕三頭筋といい腕を伸ばす時に働く筋肉になります。上腕三頭筋は腕の筋肉の大半を占めているので、その部分を鍛えて超回復を繰り返すと、太い腕を作ることができます。
2.上半身前面の筋肉
上半身の前側には大胸筋、腹筋が筋肉の大半を占めています。大胸筋の役割は物を前で抱えたり胸の前で物を押す時に働く筋肉で、上部、中部、下部と3つの部位に分かれています。男性の場合には大胸筋が大きくなりやすい傾向があるので、筋トレの効果がすぐに感じられる部位になります。
腹筋はシックスパックと呼ばれている腹直筋、体の左右を支える腹斜筋があり、筋肉痛になっても回復が早いために比較的短い間隔で筋トレすることが可能です。
3.背中の筋肉
背中には肩甲骨周りの僧帽筋、腕を後ろに引く時に強く働く広背筋、背骨に沿う形でついている脊柱起立筋などがあり、その他にも小さい筋肉がたくさんついている部位になっています。
背中の筋肉はかなりの強度で筋トレできる部位になっているので、筋トレ自体はハードになりますがしっかり鍛えることで猫背の改善や力強い背中を手に入れることができます。
4.肩の筋肉
肩は三角筋という筋肉が前部、中部、後部と3分割でついており、上半身の中で一番の体積を持っている筋肉になります。非常に大きい筋肉ですがそれぞれ腕の角度によって作用する部位が変わってくるので、筋トレの際には3つそれぞれ鍛えなければうまく筋肉痛になりにくい場所です。
三角筋が強くなると逆三角形のシルエットのように肩がどんどん丸くなっていき、見た目が美しく腕を上げての作業などで強い力を発揮できます。
5.足の筋肉
人間の筋肉の7割が下半身と言われるほど下半身の筋量は多く、太ももの前側の大腿四頭筋、太ももの裏側のハムストリング、ふくらはぎを形成する下腿三頭筋が主な筋肉です。下半身の筋肉で共通なのは走る、飛ぶなどの瞬発力や、重たいものをしゃがんでいる状態から持ち上げる筋力などが向上しやすく筋トレ後の筋肉痛も強烈です。
その分、筋肉が大きくなると消費されるカロリーが多いために、ダイエットするには最適な筋トレ部位と言えます。
筋トレで筋肉痛になったら、しっかり休養しよう!
最後になりますが、筋トレと筋肉痛の関係や超回復について少しでも理解していただければ幸いです。
筋肉痛も最初の頃は嫌なものですがその間は超回復で筋肉が成長していると考えると、そこまで嫌なものだとは感じなくなると思います。
筋肉をより成長させるためにはトレーニングや栄養も非常に重要なのですが、しっかりと休養することも意識するとより効率的に筋肉を成長させることができます。
本記事で紹介したことを頭の隅にでも置いていただいて、日々の筋トレの参考にしてください。