長時間のデスクワークが続き、いつも肩こりがひどい、肩こりが原因で仕事や勉強に集中できない、細かい作業が続いて肩がズシンと重い。
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?
日本人の痛みや辛さの自覚症状の調査では、女性は1位、男性は2位にランクインしている「肩こり」(厚生労働省 平成28年度国民生活基礎調査)。
今回は、肩こりの原因から解消法、さらには予防法まで詳しくお伝えいたします。
肩こりに悩んでいるあなた!必見です。
【肩こり解消の基本】まずは肩について知ろう!
そもそも肩こりの原因となる「肩」とはどこの部分を指すのか。
まず、骨でいうと「上腕骨」「肩甲骨」「鎖骨」の3種の骨の組み合わせで肩は形成されています。
そして筋肉でいうと、肩を形成している3種の骨の組み合わせの外側に覆い被さるように「三角筋」と「僧帽筋」があります。
さらに三角筋と僧帽筋の下にある肩甲骨には、腕の可動の関係上、たくさんの筋肉が繋がっています。
これらを総称で「肩」と言います。
【肩こり解消の基本】肩こりの原因
肩こりの原因は日常生活のなかにたくさん潜んでいます。知っているか知らないかでは大きな差がありますので、知っておいて損はないでしょう。
日常に潜む肩こりの原因①姿勢
「悪い姿勢でいること」「長時間同じ姿勢でいること」が原因で肩こりは引き起こされます。
デスクワークや勉強をしていると首を少し前に出す姿勢・肩をすぼめる姿勢になりやすいです。そうした悪い姿勢を続けていると首から肩にかけての筋肉に疲労が生じ、血流が悪くなります。
また、長時間同じ姿勢でいると同じ筋肉だけに負担がかかり続け、他の筋肉が衰えてしまいます。
これらが原因で肩こりは引き起こされるのです。
日常に潜む肩こりの原因②眼精疲労(目の疲れ)
目と肩なんて離れているし無関係に思えますが、目と肩には密接な関係があります。
長時間パソコンやスマートフォンを見ていたり、細い作業をしたりしていると、目が疲れますよね。これは細かい作業をしたりするとき、目の周りの筋肉を使うからです。
目の周りの筋肉はとても繊細ですぐ疲れてしまいます。すると、瞼を上げようとして自然とおでこの筋肉に力が入ります。
おでこの筋肉は、前頭部(おでこ)と後頭部をつなぐ帽状腱膜を伝って、僧帽筋につながっています。
僧帽筋とは肩の周りを形成する筋肉のことです。
つまり、目が疲れてくると、同時に肩周辺の筋肉にも負担がかかり、肩こりにつながるということです。
日常に潜む肩こりの原因③運動不足
運動をせずにずっと同じ姿勢でいると、全身の血流が滞ってしまい、肩こりが引き起こされます。
また、慢性的に運動不足だと筋肉量が落ちていき、少ない筋肉で体の重みを支えることになります。よって筋肉に負担がかかり、肩こりを感じるようになります。
日常に潜む肩こりの原因④精神的なストレス
肩こりの原因として、精神的なストレスも挙げられます。
例えばプレゼンなどの緊張する場面では「肩に力が入る」ことがありますよね。
ほかにも大事な仕事を任されたプレッシャーや、怖い上司と一緒話しているとき等、「全身がこわばる」感覚を味わったことがあるかもしれません。
「肩に力が入る」「全身がこわばる」ことによって全身の血流が悪くなり、肩こりにつながります。
精神的なストレスによる肩こりは、完璧主義、几帳面、責任感が強い、内向的な性格、悩みや不安がある、イライラしている方に多いといわれています。
簡単!肩こりレベルのセルフチェック(これで必要な解消度がわかる!)
さて、ここまで肩こりの原因についてお話してきましたが、実際あなたの肩こりがどれくらいのレベルなのか気になりませんか?
自覚がなくても肩こりがかなり悪化していたり、体の不調の原因が肩こりだと思っていたら肩こりレベルが低く、全く別のことが原因だったりするケースもあります。
そこで肩こり度のセルフチェック方法をご紹介致します。肘がどこまで上がったか確認してみてください。
- 左右の手のひらを顔の前でぴったりと合わせます。
- 顔の前で手のひらを合わせたまま、左右の肘同士もぴったりと合わせます。
- そのまま腕を真上にゆっくりとあげます。このとき背中が反らないようにしてください。
【肘が鼻より上の高さまで上がった】
あなたは、肩こりレベル0です!きっと肩こりに悩んだこともないのではないしょうか?
これからも肩こりに悩むことのないよう、時々セルフチェックしてみてください。
【肘が口の高さまで上がった】
あなたは、肩こりレベル3です。姿勢を改善したり、マッサージや簡単なエクササイズを行ったりすることですぐ解消されるはずです。
後述でエクササイズを紹介しますので試してみてください。
【肘が肩から顎の間まで上がった】
あなたは、肩こりレベル7です。肩こりレベル7まで来ると、頭痛や吐き気、眼精疲労を伴ってくることも多いです。ですが、肩こりに効果的な筋トレを継続すると肩回りがすっきりしていきます。
是非肩こりに効果的な筋トレを始めてみましょう。
【胸より上に上がらなかった】
あなたは、肩こりレベル10です。このレベルの方は常に痛みとだるさが伴っているはずです。
肩こり解消に向けて、ストレッチや筋トレ、マッサージなどを始めて継続していきましょう。
正しい姿勢を身につけることは肩こり解消への第一歩!
長時間悪い姿勢をとり続けていると肩こりは悪化するので正しい姿勢を身につけましょう。
立っているときも座っているときも、下記のさえ意識すれば大丈夫です。
- おへその下に力を入れ、骨盤を立てる。
- .軽く肩甲骨を後ろに引き、姿勢をまっすぐに。
※頭頂部が天井に引っ張られている感覚を意識してみてください。 - あごを少し引く。
最初は1時間に1回姿勢を見直すなどして、徐々に体に染みつかせていきましょう。
【外出先でも簡単!】肩こり解消に効果的なエクササイズ・ストレッチ・マッサージ
正しい姿勢で過ごしていれば完全に肩こりがなくなるかといわれると、そうではありません。たとえ正しい姿勢でいても、ずっと同じ姿勢でいるだけで肩周りの筋肉は凝り固まってしまいます。
そんな時には、軽くエクササイズやストレッチ、マッサージをすることで滞った血液やリンパの流れを促し、肩にたまった疲労をリセットしましょう。
今回は職場や学校でも簡単にできるエクササイズやストレッチ、マッサージを紹介していきます。
肩こり解消のエクササイズ
- まっすぐ立ち(座り)、右手は右肩に、左手は左肩にそっとのせます。
- ひじを正面→真上→真横の順に向けて円を描くように回します。
- これをリズムよく20回行います。
終わったら、真横→真上→正面の順番で逆回しも20回行ってください。
肩こり解消のストレッチ
- 腕を背中側に回し、右手を肩の上から、左手を肩の下から持ってきます。
- 手をつなぎ、5~10秒キープします。
- 終わったら、左右の手を逆にして5~10秒行いましょう。
手と手を組むのが難しい場合は、タオルの端と端を握って行いましょう。
肩こり解消のマッサージ
- 顔を正面に向けた状態から、手で頭を真横に押し倒す。
- 15秒キープします。
- 終わったら、左右反対側も同じように行います。
- 両手を頭の後ろで組み、ゆっくりと頭を前に倒します。
- 15秒キープします。
このストレッチをすることで、首前方の前斜角筋が伸ばされます。固くなっていた前斜角筋をのばすことで、血行が良くなり、肩こりが解消されます。
以上が肩こり解消にオススメなエクササイズ・ストレッチ・マッサージでした。
これらは激しい動きや目立つ動きを伴わないので、仕事と仕事の合間、勉強と勉強の合間にするのがオススメです。
肩こり解消に効果的な筋トレ:僧帽筋トレーニング
この筋トレ方法は短時間で簡単にできるものなので、筋トレが苦手な方にもおすすめの方法です。また、筋トレは肩こりが解消されるだけではなく、予防までできてしまいます。
その場しのぎだけではなく、長期的に肩こりを解消したい方にとって最適な方法が筋トレなので、是非試してみてください。
筋トレに必要な道具
- 水の入った500ml~2lのペットボトル2本
- ビニール袋や紙袋や買い物袋等の、袋
※ペットボトルがない場合、鉄アレイやダンベルでも構いません。
※袋の種類も何でも構いません。
※水の入ったペットボトルを袋の中に入れておく
肩こり解消に僧帽筋トレーニング①
効果的な部位
僧帽筋上部線維(僧帽筋の上の部分)
- 水入りペットボトルの入った袋を、それぞれ両手で持ちます。
- 持った両腕を体の横側に垂らし、肩と腕の力を抜きます。
- 腕を伸ばしたままま、両肩を耳に近づけるようにすぼめます。
- 3秒間キープします。
- ゆっくりと力を抜きます。
- 2~5を10回繰り返します。
コツ:腕の力を使わないようにすること。
肩こり解消に僧帽筋トレーニング②
効果的な部位
僧帽筋中部線維・下部線維(僧帽筋の真ん中と下の部分)
- 片手をテーブルの上に置きます。
- もう片手で水入りペットボトルの入った袋を持ちます。
- 膝を軽く曲げて、前かがみになります。
- 袋を持った方の腕を、60度から90度前方に垂らします。
- 水入りペットボトルの入った袋を、肩甲骨の内側を背骨に近づけるように持ち上げます。
- 3秒間キープします。
- ゆっくりと力を抜きます。
- 4~7を10回繰り返します。
- 終わったら左右反対の手でも行いましょう。
コツ:腕の力を使わないようにすること。
トレーニングを行う頻度については、2日~3日に1度で十分です。
肩こりをなるべく早く治したいから、毎日やりたいという方も筋トレで損傷した筋肉を休養させることが、肩こり改善までの1番の近道になるので、毎日の筋トレは控えましょう。
肩こり解消に効果的な日常生活でできる方法
「今まで紹介した肩こり解消法以外にも、できることがあればやりたい!」というあなたにオススメな、日常生活で簡単にできる肩こり解消法をご紹介いたします。
【日常生活で肩こり解消】正しい姿勢でウォーキング
会社に行くときや学校に行くとき、家に帰るときなど、誰しもに歩く機会があると思いますが、そんなときに歩く時の姿勢を少し意識するだけで肩こりの解消につながります。
正しい姿勢で歩くためには、まず「お尻の穴を締めるイメージ」で立ってみてください。
それができたら、かかとから着地し、つま先で地面を蹴って歩きます。
これを続けるだけです。なんとなく歩きがちな通勤路・通学路で歩き方を意識するだけでいいのでオススメです。
余裕のある方は、いつもより1駅分多く歩いてみるといいかもしれません。
【日常生活で肩こり解消】眼精疲労(目の疲れ)対策
デスクワークや細かい作業、長時間パソコンの画面を見ているなどしていると、眼精疲労(目の疲れ)は起こります。そこで、眼精疲労の簡単な対策を紹介します。
まず目が疲れたと感じたら1分間目を閉じます。
そして、目を閉じながら、やさしくこめかみを押し、撫でるようにやさしく円を描きましょう。
また、画面や文字を近くでみると眼精疲労が起きやすいので、なるべく目線を遠くしてみるようにしましょう。
【日常生活で肩こり解消】ぬるま湯浴で血行を促す
ぬるま湯に肩までつかることで、血行が促され、筋肉の緊張が和らぎます。ぬるま湯とは大体39度のお湯のことです。
ぬるま湯浴にはリラクゼーション効果もあるため、疲労を感じる日にはぜひ試してみてください。
まとめ【つらい肩こりを解消しよう。筋トレ・マッサージ・ストレッチで肩こり解消!】
肩こりの原因は大きく分類すれば「血流が滞ること」「肩回りの筋肉に過度な負担がかかること」に分けられました。
日常生活には肩こりを引き起こす要因がたくさんありましたね。
本記事で紹介した正しい姿勢を身につけて、スキマ時間で簡単なエクササイズやストレッチ、マッサージを行うことで肩こりはやわらぎます。
さらに僧帽筋トレーニングも行うことで肩こり予防ができるので、長期的に肩こりから解放されることが望めます。
定期的に肩こりレベルをチェックして、どんどん肩こりから解放されている実感をしていきましょう!