最近、むくみに対してツボ刺激をすることで改善できると注目が集まってきています。そもそもどうしてむくむのか、改めて考えることって少ないですよね?
そこで、今回はむくみの原因と、ツボを刺激することで改善できる方法を紹介していきます。
むくみの原因は色々ある?【ツボでむくみを取りましょう】
むくみとは、血液から血液の外に滲み出た水分が、皮膚の下の組織に過剰に溜まってしまう状態を言います。
通常でも水分は少しずつ滲み出ており、滲み出て水分は再び血管内に取りこまれたり、身体中を循環することによって、1箇所には溜まりづらい構造となっています。
それが何らかの原因によって、滲み出る、循環させるといったバランスが崩れてしまうと、水分が溜まってしまい、むくみが発生してしまいます。
むくみと言えばふくらはぎを想像する方も多いかと思いますが、実は腕や顔、背中などにもむくみを生じます。
どうしてふくらはぎに生じやすいのかと言うと、それは重力が大きく影響しています。
体内の血液の流れ(循環)は、心臓の力によって手足の先端まで血が行き届きます。心臓の力は非常に強力で、1回動くだけで、1秒もかからずに全身に血液を運んでくれています。ですが心臓は、血液を送り届けられても、戻せない構造となっています。
では、先端まで運ばれた血液はどのように戻ってくるかと言うと、手足の筋肉の力によって戻されます。
長時間座っているとむくむのは、筋肉が働かず、血液が循環されない為に起きてしまいます。また、心臓から一番距離の遠いふくらはぎは、余計にむくみやすいのです。
むくみの原因は様々です。ここでは大きく分けて3種類、①病気、②薬、③その他を紹介します。
むくみの原因①病気
まず1つ目は、何らかの病気の可能性が考えられます。心臓や肝臓、腎臓などの血液の流れに関わる臓器に異常が生じると、むくみが生じることがあります。例えば心不全や肝硬変などが挙げられます。
病気のときのむくみを見分けることは難しいですが、皮膚の色調が変わったり、痛みを伴ったりする場合、期間が長かったり、徐々に悪くなったりする場合は特に注意が必要です。いずれにしても自己判断は禁物です。すぐにかかりつけ医に受診するようにしましょう。
むくみの原因②薬
2つ目は、薬の副作用によるものです。血圧を下げる薬などには一部、副作用としてむくみが出現することがあります。薬を飲み始めてからむくみが気になるようになった方は、病院に相談することをおすすめします。先程同様に自己判断で薬を飲むのをやめてしまうことだけはやめましょう。
むくみの原因③その他
3つ目は、それ以外によるむくみです。長時間立ち仕事をした後や、飲酒をした翌日にむくみを感じたことがある人もいることでしょう。
長時間立っていたことで水分がふくらはぎに溜まってしまう、過度に飲酒をしたことで体内の水分バランスが崩れてしまうなどが原因として考えられます。
【ツボを押す前に】むくみを見極める方法があります!
むくみがあるか簡単に見分ける方法として、“圧痕テスト”というものがあります。
親指で5〜15秒程度軽く押して指を離した後に、1分経っても元に戻らない状態ですと、むくみがあると言えます。 手軽に行えるので、自分の身体のどの部位にむくみがあるか、確認してみましょう。
ツボを刺激してむくみを改善しよう!
足がむくんでしまう原因が理解できたところで、むくみを改善できるツボを部位別に紹介していきます。
足のむくみに効果的なツボ
①陰陵泉(いんりょうせん)
スネの内側下から触っていき、指が止まる部分
体内の循環を良くして女性ホルモンの働きを整えてくれるツボです。
②三陰交(さんいんこう)
スネの内くるぶしから4横指上の部分
冷えのツボとも言われています。やや長めの靴下を履き、温めるようにすると効果的です。
③承山(しょうざん)
ふくらはぎの筋肉がアキレス腱に変わる部分
腰から足にかけて重だるい時などにも有効です。
④太渓(たいけい)
内くるぶしの後ろでアキレス腱との間の部分
新陳代謝を高め、老化を予防するツボとも言われています。
⑤漏谷(ろうこく)
内くるぶしから8横指上の部分
こむら返りなどの症状にも効果があるツボです。
⑥委中(いちゅう)
膝裏の中央の部分
腰の症状のみではなく、全身の疲れがある方にも効果的です。
⑦湧泉(ゆうせん)
足裏の中指の付け根の部分
足裏のみではなく、下半身全体の重だるさ、疲れにも効果的です。
⑧失眠(しつみん)
足裏で踵の一番爪先側の部分
むくみの改善のみではなく、眠りが浅い方にも効果的です。
顔のむくみに効果的なツボ
顔にあるツボを刺激することで、血流の改善、むくみの改善が期待できます。
①魚腰(ぎょよう)
眉毛の真ん中あたりの部分
②睛明(せいめい)
目頭のやや上の部分
③四白(しはく)
目の真下中央の部分
④顴髎(かんりょう)
頬の一番出っ張っている部分
⑤懸釐(けんり)
耳の真上にあたる部分
⑥率谷(そっこく)
耳の斜め上後方にあたる部分
⑦浮白(うはく)
耳の真後ろの部分
おなかのむくみに効果的なツボ
水分(すいぶん)
へそから一横指上の部分。
腸に働きかけて全身の水分バランスを調整してくれます。
むくみにツボ刺激のコツ!【これでむくみともおさらば!】
ツボは専門家からしても、非常に繊細でかつ難しいもので、良くすることもできますが、一方でかえって悪化させてしまうこともあるのです。
また、難しいのは施術される側の個人差が強く影響するといった点です。同じ症状の人に同じように行っても、同じように結果が出ないことも多いのです。
それらを踏まえて、ツボを刺激する際のちょっとしたコツをお伝えします。
【ツボ刺激のコツ①】刺激の強さ
強ければ強いほど、押したときに痛ければ痛いほど効果がある、と勘違いされている方も多くいらっしゃいます。ですが、それは間違いです。
ツボを刺激する際は、むやみに強く行うとかえって悪影響の場合が多い為、注意が必要です。
ではどのくらいの強さが良いか。部位や人によって異なりますが、一番良い目安は痛気持ち良い程度ということです。痛いほど強い刺激は、身体からすると、予期せぬ外からの刺激です。そうすると筋や皮膚が自分を守ろうと硬くなる特徴があります。
自分で行う場合は、自分で調整ができますので、痛気持ち良いところで調整しましょう。他人に行ってもらう場合は、その都度、強さどう?と声をかけ、教えてあげると効率よく行えるでしょう。
【ツボ刺激のコツ②】刺激時間
おおよそ6秒かけて行うと良いでしょう。
2秒かけて少しずつ指圧し、痛気持ち良いところで2秒止め、2秒かけて除圧すると良いでしょう。呼吸に合わせるのも効果的です。指圧するときに息を吐き、除圧するときに息を吸うと筋が緩みやすくなります。
【ツボ刺激のコツ③】オススメなタイミング
日を分けたり、時間を空けたりして、どのツボが自分のむくみには効果があるのかを工夫しながら行うと良いでしょう。
ツボを刺激する時間帯についてですが、血行がよくなっているお風呂上がりが効果的です。適度な強さでの指圧はリラックス効果も伴いますので、良い寝入りにも繋がることでしょう。
ただ、疲れて帰ってきて風呂上がりにツボ押しをするような時間は取れない、と言う方もいらっしゃるかと思います。そのような方の場合、ある時間帯に行うようにすると言うのは義務的になってしまい、長続きしないものです。
そこで、“隙間時間”に行うことをおすすめします。例えば、待ち合わせ場所に早く着きすぎてしまった際や、デスクワークの方であれば、席に座った際などの隙間時間を利用すると長続きしやすくなります。
一度に全てのツボを刺激するのではなく、前にここを押したから次はこちらを刺激しよう、のように細目に頻度よく行うと良いでしょう。
【ツボ刺激のコツ④】その他
先ほどお伝えしたように、ツボは良くも悪くもなってしまうことを承知の上で、取り組む必要があります。
一度に全てのツボを刺激してしまうと、どのツボが自分に合っていて、どのツボが合っていないのかがわからなくなってしまいます。わざわざ時間をかけて行っているのに、かえって悪くしてしまっているなんてもったいないです。
日を分けたり、時間を空けたりして、どのツボが自分のむくみには効果があるのかを工夫しながら行うと良いでしょう。
また、自分の手を使って押していると、自分の手が痛くなったり、疲れたりしてしまうこともあります。
そこで、日用品やツボ惜しくグッズなどを利用するのもおすすめです。日用品でいうとビンを利用してみたり、少ない力でツボが押せる値段もお手頃なグッズも多数販売されています。自分の生活スタイルに合わせたグッズを探してみると良いでしょう。
ツボ以外の方法でむくみを改善するには…?
これまでにむくみにきくツボの場所を紹介してきました。ここではむくみを改善できるツボ以外の方法をご紹介します。
≪ツボ以外でむくみを改善①≫自律神経の調和
日々、忙しく仕事に追われた生活を過ごしていると、自律神経に変調をもたらし、体調不良やむくみを悪化させてしまうことがあります。自律神経とは筋肉などの自分で動かせる場所以外の臓器を調節してくれているもので、交感神経と副交感神経に分けられます。
例えば心臓です。皆さん、自分の心臓を今より早く動かす事ができますか?
心臓は自分の意思とは無関係に勝手に動いています。ですが、激しい運動をした時とか、緊張した時は、勝手に早く動きますよね。この勝手に動いている部分を自律神経が調整してくれています。ストレスが溜まってくると、交感神経が活発になります。そうすると、血圧が上がったり、筋肉がこわばったり、消化が悪くなってしまいます。
反対にリラックスしている状態では副交感神経が活発に働き、血圧を下げたりしてくれます。現代人は交感神経が活発化しやすくなってしまっており、体調に不調を来しやすいのです。
そこで、自律神経を調和させる方法として、腹式呼吸をおすすめします。鼻から息を吸って、ゆっくりと口から吐く。鼻から吸う時にはお腹を気持ち膨らませるようにすると、横隔膜が働き、副交感神経が働きやすくなります。
腹式呼吸をすると、副交感神経が活性化し、自律神経が調和される事で、むくみの改善にも繋がります。また、当たり前のことですが、早寝、早起きなどの規則正しい生活習慣を正す事が重要です。朝日を浴びる事で、脳の働きを良くする物質が作られたり、骨を強くするホルモンが分泌されたりしますので、早起きしない手はありません。
≪ツボ以外でむくみを改善②≫食生活を見直す
食生活を見直すのも効果的です。具体的には、塩分を控える事です。塩分取り過ぎは体に良くないのはよく聞きますよね。塩分は体の中の水分を体に貯める、つまり水分を排出しづらくする効果があります。しょっぱいものを食べた翌日にむくみを感じるのはこの事が影響しているのですね。
そこで、カリウムという水分を体外に排出しやすくする成分をとることがおすすめです。例えば、納豆やフルーツ、落花生などの豆類に多く含んでいるので、意識してとるようにすると良いでしょう。
また、冷たいものを取りすぎるのもむくみを悪化させてしまいます。冷たいものを取り過ぎると、身体が冷えてしまい、代謝が悪くなってしまいます。代謝が悪くなると、血液を心臓に送り出す事ができなくなったり、水分の排出がうまくできなくなったりします。飲料水はなるべく常温、またはあたたかくしてとることをおすすめします。加えて、体を温めてくれる生姜やニンニク、ネギなどをとることもおすすめです。
≪ツボ以外でむくみを改善③≫適度な運動
適度な運動は健康を保つ上では欠かせませんし、むくみの改善にも特に効果をもたらします。運動と言っても疲れるような激しい運動ではなく、軽く息が上がるような有酸素運動が効果的です。
有酸素運動とは、簡単に言うと、友達とおしゃべりしながらでも続けられるような全身運動のことです。とは言っても、忙しい日常生活で運動する時間をつくのは難しい方も多いことでしょう。
ですので、日常生活で工夫をしてみてください。例えば、エスカレーターを使用せずに階段を使用する、1駅なら電車を使わずに歩いてみる、など、意識をすると案外運動する機会を作れるものです。
ですが、人間誰もが楽をしたいものです。気にするようにならなければ、歩いたり、運動したりする機械を作ることはできません。まずは、気にするようになる事がはじめのステップになるでしょう。
まとめ【むくみはツボを刺激することで良くなる!むくみを改善できるツボのご紹介】
・むくみの原因
むくみの原因は大きく分けて、①病気、②薬、③その他を紹介しました。
・むくみの見極め方
手軽にできるむくみの確かめ方を紹介しました。
・むくみに効果のあるツボの紹介
足だけでなく、顔、腰、お腹などの全身のツボを紹介しました。
・むくみに効果のあるツボ以外の紹介
ツボを刺激する以外に、自律神経の調和、食生活の改善、適度な運動を紹介しました。
いかがでしたでしょうか?むくみが見られるようになってから改善するのは大変です。ですので、予防的に取り組むと良いでしょう。また、むくみが悪化してからですと余計に改善するのが大変です
。日頃のちょっとしたケアを意識して取り組むことで、むくみのない体を手に入れる事ができるはずです。是非、今回紹介したむくみに効くツボを刺激する事で、むくみ知らずの体を手に入れましょう。