筋肉をつける為にはたんぱく質が重要というのは有名な話ですよね。
でもたんぱく質を食事だけで摂るのはかなり大変です。
その点プロテインはたんぱく質を効率よく摂取でき、トレーニーにとって大きな味方といえます。
しかしその人ごとに適した摂取量があり、摂りすぎれば様々なデメリットがあります。
ここではプロテイン摂取のメリットや摂取タイミングと過剰摂取によるデメリット等について紹介していきます。
プロテインとは?
そもそもプロテインというと筋肉がつく薬というようなイメージがありますが、実はたんぱく質を英訳したものを言います。
また、プロテインには、は主に動物性(牛乳タンパク)の「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」と、植物性(大豆タンパク)の「ソイプロテイン」の3種類があります。
目的にあわせてプロテインの種類を選ぶケースも多いですが、吸収・消化性と飲みやすさから現在の主流は「ホエイプロテイン」となっています。
プロテインのメリット
筋力アップ、筋肥大に効果的
プロテインは筋肉を作るうえで欠かす事はできません。
過去に多くの論文などでもその事は立証されていますが、一例を挙げればカナダのマックマスター大学を中心とする研究チームが発表したシステマティクレビュー、つまり、これまでの研究論文をかき集めて比較した論文によれば、
対象者に6週間以上のレジスタンストレーニング(筋トレのこと)をしてもらいその後、プロテイン群と何も摂取しない。or プラセボを飲んでもらう2群で比較したところ最大筋力、筋肉の重さ(除脂肪体重)、筋肉のサイズ(筋断面積)に効果がみられたとしています。
美容に効果的
プロテインは筋肉だけに効果的と思われがちですが内臓、皮膚、髪、骨、歯、腱、髄、血液、リンパ液、カラダの機能を調節するホルモンなど、全ての成分と生命現象にはタンパク質が関与しています。
当然タンパク質が不足すれば髪はキューティクルを失い、肌ががさつき歯はぼろぼろになっていきます。
プロテインの種類
ホエイプロテイン
吸収速度が早いプロテインです。
牛乳からカゼインや乳脂肪分を取り除いて生成されています。
欠点は、熱に弱いことですが熱を加えることはあまりないと思われます。
また、熱を加えたとしてもタンパク質の凝固は起こるだけで、タンパク質が減ったりするわけではないのでお湯に溶かしても問題ないです。
特にこだわりがなければ一番にオススメするプロテインです。
また、ホエイプロテインはWPCとWPIといわれるものに分けられます。
まず、WPCとはWhey Protein Concentrate(濃縮乳清タンパク質)の略で、プロテインの中に乳清が含まれビタミンやミネラルをできるだけ多く残った状態のホエイプロテインです。
牛乳などでお腹を下す乳糖不耐症を持つ人にとっては、腹部膨満感やお腹が張ってごろごろする原因となる場合もあります。
タンパク質含有率が約80%の製品はこの製法で作られていることが多いようです。
次にWPIですがWhey Protein Isolate(分離乳清タンパク質)の略で、タンパク質以外の成分はほぼ除去された高濃度のホエイプロテインです。
タンパク質含有率も約90%と高く、お腹の不調になりやすい乳糖の含有率も非常に低いため、乳糖不耐症の方にも適したプロテインといえます。
価格はWPCよりも若干高めです。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインは、ホエイプロテインと原料を同じくするプロテインの一種ですが、牛乳から脂肪やホエイを取り除いた後の不溶性固形成分から作られたプロテインです。
ホエイプロテインと区別するために、不溶性タンパク質として説明されることが多いです。
WPCと同じように乳糖不耐症の人には適さず、消化吸収もホエイプロテインと比べてゆっくりです。
ソイプロテイン
これは先ほどのホエイやカゼインと違い植物性タンパク質と言われるものです。原料は名前にもある通り、大豆です。
カゼインプロテインと同じく消化吸収に時間がかかります。
プロテインを飲むタイミングとは
身体にはタンパク質の合成と分解の機能が備わっています。
この筋タンパク質分解のスイッチは、身体の疲労感や飢餓感です。
そのため、トレーニングを行うとこの合成の機能はもちろんですが、同時に分解の機能も向上します。
そして、トレーニング直後に分解の機能が最も向上し、その後ゆっくり減少していきます。
この状態のまま何も摂取しなければ、筋肉の合成がさほどされずに筋肥大は促進されません。
また、この筋タンパク質分解の状態は24時間継続し、筋タンパク質合成促進の状態は48時間継続します。
つまり、トレーニング後48時間以内に良質なタンパク質を摂ることと、トレーニング直後の最も分解が進む時間帯に筋肉が分解されないように吸収の早いプロテインを摂取していくことが筋肉をつけるポイントになります。
また常にたんぱく質が身体に吸収されている状態が筋肉分解を防ぎ筋肉合成を促進するといえるため、寝る前などの食事の時間が大きくあく時に吸収がゆっくりなカゼインやソイプロテインを飲むのが良いといえます。
プロテインの適正摂取量とは
プロテインの適正摂取量ですがこれは普段運動をしているかしていないかによって適正摂取量は異なります。
運動をしていない場合は体重×1gのたんぱく質が必要になります。体重が60kgであれば60gのたんぱく質が必要になります。
対して、普段運動をしている人の場合は体重×2gのたんぱく質が必要になります。体重が60kgであれば120gものたんぱく質が必要になります。
これを食事だけで摂取しようとすると、鶏胸肉であれば約600g、卵であれば20個も摂取しなければいけません。
プロテインであれば6杯程度で達成する事ができるので非常に効率的ですね。
ただしプロテインはあくまで栄養補助の位置づけであり、プロテインしか食事を取らないといった事はないようにしてください。
プロテインを多く摂ったらそれだけ効果があるんじゃないの?
プロテインは筋肉をたんぱく質を作るうえで欠かす事はできませんが多く摂ればそれだけ筋肉もつくのではないかと思っている方もいるのではないでしょうか。
これについて過去に研究がなされています。
2015年のJ Int Soc Sports Nutr.の研究によれば48名の男女を対象に、一日に体重1kgあたり3.4gのタンパク質を摂取して週5日に渡るハードなウェイトトレーニングを8週間に渡って行ったところ、一日に体重1kgあたり2.3gのタンパク摂取群と比較して、除脂肪体重の増加やエクササイズパフォーマンス改善において、ほとんど同等の効果だったとされています。
この事からタンパク質の適正摂取量を超える量のプロテインを摂取しても、筋トレや運動において大きなメリットはないといえます。
プロテインの過剰摂取によっておこるデメリット
体重増加
プロテインはダイエットに用いられる事もありますが、低カロリーというわけではありません。
タンパク質1gあたり4kcalで炭水化物1gあたりと変わらないのです。
そのため、飲みすぎれば吸収しきれないタンパク質は筋肉ではなく脂肪に変わってしまうので注意が必要です。
腸内環境が乱れる
タンパク質を大量に摂取すると、腸の中の悪玉菌を増やし、腸内環境を悪化させると言われています。
悪玉菌は特に「動物性タンパク質」を摂取した際に増えると考えられているので、牛乳から作られるホエイプロテインを飲んでいたらその影響は大きくなります。
腸内環境の乱れはおならがくさくなるだけではなく、消化不良や便秘、体調不良の原因となったりしますので注意が必要です。
内臓疲労
タンパク質をアミノ酸に分解すると窒素というものが生じます。
この窒素は肝臓で処理し、腎臓から排泄するので、必要以上に摂取することは肝臓や腎臓に負担をかけることになります。
動物性のたんぱく質は、摂り過ぎると尿が酸性化し、尿中カルシウムが増加して尿路結石や骨粗しょう症などのリスクが高まることになります。
お勧めのプロテイン
ここまで、プロテインの適正量や摂りすぎることによるデメリットを紹介してきましたが、プロテインは適正量を摂取する事で増量期でも減量期でもトレーニーにとって非常に大きな味方となります。
また適正量を摂取するためには毎日それなりの量のプロテインが必要になりますので、できる限り安くプロテインを入手したいもの。
そこで、なんといってもマイプロテインのプロテインがお勧めになります。
マイプロテインは国産のものと比べても圧倒的にコストパフォーマンスが良く、非常にお財布にお安くかつ大量に購入する事が可能です。
特にセールの時は半額近くまで値下げされる事があるので興味のある方はチェックしてみてください。
まとめ
①プロテインには、は主に動物性(牛乳タンパク)の「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」と、植物性(大豆タンパク)の「ソイプロテイン」の3種類があり、吸収・消化性と飲みやすさから現在の主流は「ホエイプロテイン」となっている。
ホエイプロテインはWPCとWPIに分けられ、WPIは乳糖不耐症の人でもお腹を壊しにくいがやや値段は高め。
ソイプロテイン、カゼインプロテインは吸収がゆっくりな事から寝る前などに飲みトレーニング直後には吸収が良いホエイプロテインを飲むのがお勧め。
②プロテインを飲む事で筋力アップ、筋肥大に効果的なだけでなく美容にも効果的である。
ただしプロテインには適正摂取量があり、一日あたり運動をしていない場合は体重×1gのたんぱく質が必要になり、普段運動をしている人の場合は体重×2gのたんぱく質が必要になる。
③たんぱく質の適正摂取量を超える量のプロテインを摂取しても、筋トレや運動において大きなメリットはなく、むしろ健康面でのデメリットがある。
具体的には体重増加、腸内環境が乱れる、内臓疲労等である
④必要量のたんぱく質を摂るためには毎日それなりの量のプロテインが必要になるため、安く購入できるマイプロテインがお勧めである。
以上がまとめになります。
筋トレに必要なタンパク質を効率よく摂取できるプロテインですが、過剰摂取には気をつけてください。
本記事のライター
「筋トレナースマン」
看護師歴6年目。
筋トレ歴はホームトレーニー時代を含めると6年目。
医療、解剖学的観点から筋トレにアプローチしていく。
ボディメイクを世間に浸透させることが目標。