いまフィットネス人口はどんどん増えてきており、今後もその数はどんどん増えていくと予想されています。
たくましい大胸筋、翼のような大円筋、メロンのような三角筋…それぞれ理想とする身体を目指して筋トレしていると思います。しかし、鍛え忘れている筋肉はないですか?そう、脚の筋肉です!
筆者はジムで多くのトレーニーを目にしてきましたが、脚のトレーニングを避ける方が非常に多く見受けられます。そんなトレーニ-の多くは筋トレ界隈では「チキンレッグ」と呼ばれています。
今回はチキンレッグのデメリットと脚を鍛える事のメリット、そして具体的なトレーニングの紹介をしていきます。
- パーソナルジムAxeFit林出 匠(はやしで たくみ)出場大会:2018NPCJ名古屋大会出場・2019NPCJ大阪大会出場2016年パーソナルジムAxeFitを開業。鍼灸学士の資格を保有。また、極真空手初段と柔道初段も取得。
チキンレッグとは?【筋トレで理想の体型に…?】
皆さんはニワトリの脚を見た事はありますか。
ニワトリの脚は身体を支えているのが不思議なほど細く頼りないですよね。
筋トレ界では発達した上半身に対しての下半身が発達していないアンバランスな状態の人をニワトリに例え「チキンレッグ」と呼んで揶揄しています。
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なぜチキンレッグになるの?
理由は実に単純です。
脚のトレーニングは他のトレーニングに比べて本当に辛いです。
だから脚のトレーニングを避ける人は本当に多いです。
そうすると必然的に上半身のトレーニングの頻度が多くなってきてしまいます。
上半身の筋肉が発達していればいるほど下半身の細さが目立つようになり、そんな負のループに陥ってしまえばチキンレッグは一気に加速していくことになります。
脚の筋トレから逃げる理由
先述したとおり、脚の筋トレは本当にハードです。
理由は脚の筋トレで鍛えられる大殿筋や大腿四頭筋は身体の中でも大きく、なんと全体の筋肉の7割を占め、さらに大きい筋肉を全力で酷使するので心身ともに疲労困憊になってしまうためです。
また、動員する筋肉の種類も他のトレーニングに比べてとても多いため全身に倦怠感が一気に出てきてしまいます。
筆者自身、バーベルスクワットを脚の筋トレの主軸にしているのですが、トレーニング前に「今日は5回を5セットやろう!」と決めるのですが、トレーニングを始めるにつれ「やっぱり4回にしようか…。1セット減らしてしまおうか…」なんてネガティブな感情が生まれてきてしまいます。
ちなみに脚の筋トレをしっかりと追い込めた時の翌日に起こる筋肉痛は日常生活にも支障をきたすレベルです。
歩くのも辛くなるほどですので、大事な仕事が控えているなんて時だけは脚の筋トレのメニューを軽めにしても良いかもしれませんね。
チキンレッグのデメリット
【チキンレッグのデメリット①】怪我のリスクが他のトレーニングよりも高くなる
マシンを使って行う脚の筋トレであればよほど誤ったフォームや身体に見合わない重量で行わない限りは大きな怪我をする可能性は低いです。
しかし、バーベルスクワットの場合は正しいフォームで行う事が非常に難しいです。
他の筋トレでもいえますが、正しいフォームでトレーニングを行えない場合、怪我のリスクは高くなります。
筆者もバーベルスクワットで腰を何度か痛めた事があります。
腰を痛めると脚の筋トレはおろか上半身のトレーニングすらままならなくなり、回復するまで筋トレができなくなるといった状況に陥ります。
皆さんはこうならないように正しいフォームで筋トレを行う事を徹底してください。
【チキンレッグのデメリット②】スタイルが悪く見える
これはもしかしたら人によるかもしれません。
脚の筋トレをすれば当然脚の筋肉が発達していくため脚が太くなるので、細身のパンツが入らなくなったりパツパツになってしまう事もありえます。
しかし筆者はそれよりもチキンレッグによるアンバランスな身体のほうがよっぽどかっこ悪く、スタイルが悪いと思います。
それに、はっきり言って「脚の筋肉はそう簡単に筋肥大する事はできない!」と、声を大にして脚が太くなるのを気にする方々に伝えたいです。
筋肥大をするには相応のトレーニングと栄養、そして長い時間が必要になります。ですので、思う存分脚の筋トレをしていただきたいです。
脚を鍛えるメリット【チキンレッグにならず、筋トレはバランスよく】
【チキンレッグ脱却!脚の筋トレのメリット】①他の種目での重量があがる(テストステロン値の上昇)
これは良く言われる事で全身の7割を占める下半身の筋肉を鍛えると、テストステロン値もかなり上昇します。(テストステロンとは、筋肉肥大や骨格の発達に作用する男性ホルモンの一種です。)
これによって他の上半身の筋肉も発達するといわれていましたが、それだけが要因ではないというのが最近の見解です。
脚の筋トレが上半身の筋肥大につながる可能性を示した研究を見つけたので紹介します。
この研究1)では、腕の筋トレだけするグループと、腕の筋トレの前にスクワットもするグループに分け、11週間後に比較しました。
トレーニング後のテストステロン値を比較すると、腕の筋トレだけのグループはあまり上昇しなかったのに対し、スクワットもしたグループはかなりの上昇が見られました。
そして11週間後に2つのグループを比べると、腕の筋トレの前にスクワットもするグループの方が、より筋力が強くなり、優位に筋肥大したのです。
脚の筋トレでテストステロン値を上げることが、そのまま上半身の筋肥大につながるとは言えませんが、下半身は身体の土台となる部分。
土台がしっかりしていないと重い重量は扱えませんよね。
脚の筋トレが上半身の筋トレの効果をさらに上げてくれると言えるでしょう。
【チキンレッグ脱却!脚の筋トレのメリット】②消費カロリーが高いためダイエット(減量)に有効
下半身は全身の筋肉の7割を占めています。
脚の筋トレをする事で筋肉がつけば代謝は大きく向上します。
もちろんトレーニングそのものでも多くのカロリーを消費しますが、トレーニング後にも身体は多くのカロリーを消費し続けます。
たとえば減量期では体重が落ちなくなるとランニングやジョギングなどの有酸素運動を取り入れる事がありますが、スクワットの後だとカロリーの消費が向上するのです。
もちろん普通に生活する分でもカロリー消費は増えますが、減量期やダイエットで効率的に体重を落とすのに脚の筋トレは非常に有効です。
チキンレッグにならないよう脚の筋トレで鍛えよう!トレーニング紹介
【チキンレッグ知らずになる筋トレ①】レッグプレス
第一種目にオススメなレッグプレス脚の筋トレ用マシンの中で、最も高重量を扱うことができるのがレッグプレスです。ピン式にしろ、プレートローディング式にしろ、スクワット並の負荷を脚全体に掛けることが可能となります。
レッグプレスは脚の筋トレの第一種目としてチョイスしましょう。
最大限重い負荷を使うためです。
特にピン式であれば準備も簡単ですし後片付けの手間も要りませんから初心者でも気軽に実施できるはずです。
レッグプレスで使われる筋肉
・大臀筋、ハムストリングス、大腿四頭筋
参考動画
【チキンレッグ知らずになる筋トレ②】レッグカール
このトレーニングでは、太ももの裏側へ負荷を与えるのが目的のため、トレーニングを行う際には、膝と足首をパッドで固定させることが大切です。
さらに、状態が動かないようにすることで効率よく刺激を与えるため、力を入れる太もも以外は動かないように気をつけましょう。
レッグカールで使われる筋肉
・ハムストリングス
参考動画
【チキンレッグ知らずになる筋トレ③】レッグエクステンション
レッグエクステンションは大腿四頭筋を収縮させる種目です。
足の裏は前を向くようにしましょう。
でも、この時に足首に力を入れすぎると、股関節から上げにくくなるので、なるべく力を抜いた状態で足の裏を前に向かすようにして下さい。
レッグエクステンションで使われる筋肉
・大腿四頭筋
参考動画
【チキンレッグ知らずになる筋トレ④】バーベルスクワット
キングオブエクササイズと呼ばれるトレーニングの王道。
これまで紹介したトレーニングはマシントレーニングですが使われる筋肉ですが、こちらはフリーウェイトになります。
使われる筋肉は下半身の主要な筋肉部位全てに高い効果があります。
フォームは浅い順にクォータースクワット<ハーフスクワット<パラレルスクワット<フルスクワット<フルボトムスクワットに分けられます。
浅くなればなるほど使われる筋肉と刺激は少なくなってきますので、怪我や持病など特段理由がない限りはフルボトムスクワットをおすすめします。
筆者の持論ですが、正直なところバーベルスクワットをしっかりと行えているのであれば、他の種目はやらなくても良いほどです。
重量挙げのプロであるパワーリフターの方の中でも同様に脚のトレーニングはバーベルスクワットしかやらないという方が多いです。
その代わりしっかりと全身全霊集中してこのバーベルスクワットを行っていく事が大切です。
スクワットで使われる筋肉(フォームにより効果に変化あり)
・下半身前面(大腿四頭筋・腸腰筋群・前脛骨筋)・下半身後面(臀筋群・大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋・下腿三頭筋)・下半身内面(内転筋群)
参考動画
トレーニングに欠かせないトレーニングベルトについてはこちら!
まとめ【脚の筋トレから逃げるな!】
①発達した上半身に対しての下半身が発達していないアンバランスな状態の人をニワトリに例え「チキンレッグ」と呼ぶ
②チキンレッグになる理由は脚のトレーニングが辛いため。辛い⇒トレーニングを避けて他の上半身の筋トレを行う⇒チキンレッグが加速するという負のループに陥る人が多い。
③チキンレッグのデメリットはトレーニングがハードすぎる、怪我のリスクが他のトレーニングよりも高い、スタイルが悪く見える等である。
④脚の筋トレをするメリットは他の種目での重量があがる、消費カロリーが高いためダイエットに有効等である。
⑤脚の筋トレはマシンではレッグカール、レッグエクステンション、レッグカールなどがある。フリーウェイトではバーベルスクワットがある。バーベルスクワットではフォームにより効果に違いはあるが下半身全体を鍛えられ、しっかりと追い込めれば他のマシンなどのトレーニングは不要なほどである。
以上になります。
「チキンレッグ」にならないように脚の筋トレから逃げずに全身をバランスよく鍛えていきましょう!
参考文献:1)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21327794
本記事のライター
「筋トレナースマン」
看護師歴6年目。筋トレ歴はホームトレーニー時代を含めると6年目。医療、解剖学的観点から筋トレにアプローチしていく。ボディメイクを世間に浸透させることが目標。