筋トレをしている、なんていうと、必ずといっていいほどいわれる「じゃあ腹筋割れてるの?」なんて一言。
それほど一般的には身体を鍛えている人=腹筋が割れているというイメージがあると思います。特に女性はその傾向が経験上多いです。
確かにメタボリックなワンパックよりもバキバキに割れたシックスパックのほうが、男性的な魅力を感じられますし、男からみてもかっこいいですよね。
でも腹筋を割るって意外と大変なんです。それは一般的な腹筋運動(クランチとよばれるもの)では効果が現れにくく他にも配慮すべき事があるためです。
今回は腹筋を割るために重要となってくる事について紹介していきます。
【腹筋を割るための前知識】腹筋はどんな筋肉?
腹筋とは、4つの部位で構成されており、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋で成り立っています。
【腹筋を割るための前知識】腹直筋について知ろう!
一般的に「腹筋」や「シックスパック」と呼ばれるのが腹直筋にあたります。
腹直筋は図のように2本の長い帯状の筋肉が腹部正面のみぞおちから股間にかけて伸びています。
分厚いイメージがありますが、意外と1,2cm程の厚さしかありません。
体の曲げ伸ばしを行ったり、背骨を支えたり、腹圧を高め内臓を正しい位置に収納するなど、重要な役割を持った筋肉です。
【腹筋を割るための前知識】外腹斜筋について知ろう!
腹直筋の両サイド、両脇部分に肋骨の上から斜めについています。
日常生活では使われにくく、トレーニングでは腹直筋だけを鍛える人も多いですが、しっかり腹斜筋も鍛えるとよりバキバキの割れた腹筋が出来上がり、かっこいい体になります!
【腹筋を割るための前知識】内腹斜筋について知ろう!
外腹斜筋の内側、体の深いところにあり外からは見えない筋肉です。
肋骨(ろっこつ)と骨盤を繋ぐ筋肉で、ウエストのくびれを作る上で関係してきます。
外腹斜筋と共に体をひねる動作を行ったり、腹直筋のサポートをする役割です。
内腹斜筋をトレーニングすることで引き締まったくびれを作ることができます。
【腹筋を割るための前知識】腹横筋について知ろう!
腹横筋は腹斜筋(お腹の横にある筋肉)の内層にある薄い筋肉の事を言います。
腹横筋は、主に下位肋骨を下に引く動作、腹腔内圧を高める動作、体幹を屈曲させる動作をサポートしています。
中でも腹腔内圧を高める点は腹横筋が非常に重要な役割を担っているそう。
また、腰のくびれを作る筋肉としても腹横筋は活躍しており、スマートかつ男らしいボディを作るために腹横筋は欠かせない存在といえるでしょう。
【衝撃】腹筋は実は誰でも割れている!?
腹筋は鍛えていないと割れないと勘違いをされている方が多いですが、実は腹筋自体は何もせずとも生まれつき割れているのです。
(ちなみに腹筋の形やズレ、シックスパックかエイトパックなのかも生まれつき決まっています)
ではなぜ割れている人と割れていない人がいるのか…。
それはもちろん筋量の差もありますが、一番重要なのが腹筋の上に乗っている体脂肪の差なのです。
この体脂肪が減る事で割れた腹筋が見えてくるはずです。
ですので、目的が男らしいムキムキな腹筋を作りたいというのではなく、ただ腹筋を割りたいというのであれば、腹筋を鍛えるのではなく体脂肪を減らすよう痩せるのが一番の近道なのです。
ですがこの記事を読んでいるあなたは、そんなペラペラな見せかけだけの腹筋を求めているのではなくバキバキな男らしい筋肉を求めていると思われます。
ですので、腹筋を割るためトレーニング方法を紹介していきます。
腹筋を割るために効率のいいトレーニング
一般的に腹筋を割るためにはクランチと呼ばれる運動が効果的と思われがちですが、負荷が小さく実はあまり効率的とはいえません。
ですので、こちらでは強烈な負荷を腹筋に与える事ができるトレーニングを紹介していきます。
【腹筋を割るためのトレーニング】腹筋ローラー
腹筋ローラーとは小さいタイヤのような車輪がついていて、そのサイドに手で持つためのバーがついています。
そのバーを持ちながら体を前へ伸ばして、後ろへ戻して動かす運動を繰り返し腹筋全体を刺激していきます。
はじめは膝をついての腹筋ローラーをお勧めします。
腹筋がついてくれば立った状態から腹筋ローラーを行う「立ちコロ」とよばれる運動を行う事ができるようになります。
正直なところ、腹筋に関する種目は腹筋ローラーを行っているだけで、バキバキに腹筋を割る事は可能です。
筋トレyoutuberで知られるサイヤマングレートさん。
彼の筋肉の一番の魅力であるのは何といってもこの腹筋。
彼は腹筋ローラーやりこむ事でこの手榴弾のような腹筋に割ることができたと言っています。
ですので特別に腹筋のここの部位を鍛えたいなど目的がないのであれば、腹筋を割るために、腹筋ローラーを購入し実行する事をオススメします。
効果的な部位
腹筋群全体(特に腹直筋)
参考動画
【腹筋を割るためのトレーニング】レッグレイズ
レッグレイズはその名前の通り足を上下させる動作を行い、腹筋を鍛えるトレーニングです。
レッグレイズでは腹筋の中でも特に腹直筋下部を中心に鍛えることが出来ます。
腹直筋下部は腹筋の中でも特に鍛えることが難しい部位であり、ここの部分の筋肉が浮き出すのは至難の業。
レッグレイズを行うことで腹筋の下部が鍛えられ、上から下までムラなく割れた腹筋が手に入るでしょう。
効果的な部位
腹直筋下部
参考動画
また、ジムに通っている方やベンチ台が家にある方はさらに強烈に腹直筋下部を追い込める種目もあり、youtuberのぷろたんさんやIFBBプロのJINさんが紹介しているので参考にしてみてください。
【腹筋を割るためのトレーニング】ハンギングレッグレイズ
こちらはレッグレイズの応用版。腹直筋上部~下部に強烈な刺激を与える事ができます。
鉄棒やチンニングバーにぶら下がり伸ばした足を90度に上げ、1秒停止し、ゆっくりと足を下ろすという動作を繰り返し行います。
この際脚を上げる高さの角度を90度以上にする事でより腹直筋上部への負荷を強める事ができます。
ただし、この際にぶら下がっている腕の勢いを利用してしまったり、身体が揺れてしまったりすると負荷が弱まりますので注意してください。
効果的な部位
腹直筋上部~下部
参考動画
【腹筋を割るためのトレーニング】ハンギングワイパー
こちらもレッグレイズの応用版。外・内腹斜筋へ強烈な刺激を与える事ができます。
ハンギングワイパーのやり方としては鉄棒などに両手でぶら下がり両足を揃えて足の裏を真上に向けるように持ち上げます。
そのまま上半身を固定し左右に足を揃えたまま振る(車のワイパーのように)右から左(もしくは左から右)まで振って1回とします。
こちらもハンギングレッグレイズ同様、腕の力や身体の勢いを利用しますと効果は半減しますのでご注意ください。
効果的な部位
外・内腹斜筋
参考動画
腹筋を割るための食事について
まず腹筋を割る、ということに限らずにいえることなのですが筋肉を増やすのには、一旦十分な筋トレを行ったうえで、十分な栄養を摂り、体重を増やす必要があります。
そのため、目指すのがただうっすら腹筋が見える程度ではなくバキバキな腹筋を目指すのであれば、増量期で摂取カロリーが消費カロリーを上回るような食事で腹筋をつけ、減量期で増量期でついた脂肪を落としていく方法がオススメです。
【トレーニング初級者】腹筋を割るための食事
スポーツ栄養学の権威であるライル・マクドナルド博士の研究によると、トレーニングを開始して1年未満の方が一年で増やす事のできる筋肉量は9~11.3kgとしています。
そのため、初心者の方はとにかく十分なたんぱく質を確保した上で、脂質やカロリーを気にしない食事(ジャンクフードなどもOKでダーティバルクとも言われます)をする事で、脂肪と筋肉を両方増やし、十分な腹筋を身につけてから、減量期で脂肪をそぎ落としてバキバキに腹筋を割るのがオススメです。
もちろんトレーニングは増量期でも減量期でも継続して行う事が前提です。
初心者の増量についてはこちらの記事を参考にしていただければと思います。
増量と減量でカッコいいからだを!食事と筋トレを守れば絶対バルクアップできる。【筋トレ・バルクアップ】
【トレーニング上級者~中級者】腹筋を割るための食事
ライル・マクドナルド博士の研究によると、1年で獲得できる筋肉量は2年目で4.5~5.5kg。3年目で2.3~2.7kg。4年目で0.9~1.3kgと年々減少していくことになるとしています。
トレーニング初級者に比べ中級者以上になってくると1年でつく筋肉の量はどんなにハードなトレーニングを行っても増える筋肉はかなり減少します。
そのため、初心者の時と同じようなダーティバルクでは筋肉が増える割合よりも脂肪が増える割合が多くなってしまいます。
ですので、増量はするのですができる限り炭水化物、たんぱく質中心の食事で脂質が少ない食事(クリーンバルク)で脂肪をできるだけつけずに筋肉を増やしていく方法をオススメします。
具体的に言えばとり胸肉を皮なしにしたり、卵を食べる際に卵黄を抜く、脂質の多いジャンクフードを食べないなどして脂質を減らしていきます。
どんなに増量期で腹筋を身につけても、その上に脂肪が乗っていてはバキバキに腹筋を割ることはできません。
減量期では増量期でついた脂肪を減らしていきます。
意識すべき食事は十分なたんぱく質(体重×2g)をとりつつ摂取カロリー<消費カロリーにする事です。
こちらでは減量期で役立つ食事を紹介していきます。
《減量期で役立つ食事》オートミール
減量期は摂取カロリーを減らす必要があります。
オートミールは水分を加えると膨らむ性質があり、非常に腹持ちがよく低カロリーです。
そのため、50gもあればお腹は一杯になってしまいます。
比較として白米150gで252 kcalで、オートミール50gは185kcalとなっています。
また食物繊維が非常に豊富で、白米の約10倍と言われています。
また食物繊維が多いことで、咀嚼回数が増え、胃で消化する時間が長くなるため、より満腹感が得やすいです。
さら減量期に陥りがちな便秘の予防にもなります。
ただしこのオートミール、単品では非常に食べづらいです。
筆者のお勧めの食べ方としてはお茶漬けの素を入れてお湯をかけると非常においしくいただけますのでぜひ試してみてください。
《減量期で役立つ食事》とり胸肉
筋トレといえばとり胸肉といっていいほど定番の食品ですね。
とり胸肉が優れているのはたんぱく質が豊富な事(100gあたり20g程度)に加えて安価な事、皮を取り除いてしまえば低カロリーで脂質の割合が少ない事です。
プロテインでもたんぱく質は取れますが、サプリメントだけに頼るのではなくしっかりと食事からもたんぱく質を摂っていきましょう。
《減量期で役立つ食事》ブロッコリー
こちらも筋トレをする人からすればおなじみの食材。
ではなぜ選ばれる事が多いのか。
一つは女性ホルモンのエストロゲンを抑え、男性ホルモンのテストステロンを増強する働きを持つためです。
テストステロンは筋肥大の促進効果や気力や集中力を高める効果があります。
またブロッコリーのタンパク質は100g中4.3gです。
他の野菜はたんぱく質がほぼ0という中でこちらもかなり優秀な値。
減量期に限らず、筋トレをしている方にお勧めしたい食材になります。
腹筋を割るとあなたもモテモテ?腹筋をバキバキに割るために大事なこと!
①腹筋とは、4つの部位で構成されており、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋で成り立っている。
②腹筋自体は何もせずとも生まれつき割れており、腹筋の上に乗っている体脂肪が腹筋が割れているかどうかを分けている。
そのため、ただ腹筋を割る!ということが目的であれば、腹筋を鍛えるのではなく体脂肪を減らすよう痩せるのが一番の近道であるが、バキバキに男らしく腹筋を割ることを目指すのであれば食事(増量期・減量期)と筋トレが必須である。
③腹筋を割る筋トレのメニューとしてはクランチでは負荷が弱いため、腹筋ローラー、レッグレイズ、ハンギングレッグレイズ、ハンギングワイパーなどがお勧めである。
④腹筋を割るための食事については初心者と中級者・上級者では増量方法が異なる。
初心者ほどダーティバルクでも筋肉が増えていくが、中級者・上級者ではダーティな食事では筋量以上に大幅に脂肪がついてしまう事が多いので、できるだけ炭水化物やたんぱく質中心なクリーンバルクがおすすめである。
⑤減量期では増量期で腹筋のともについた脂肪をそぎ落としていく必要がある。
減量期の基本は摂取カロリー<消費カロリーが基本である。
お勧めの食事としてはオートミール、とり胸肉、ブロッコリーなどがある。
以上になります。
バキバキに腹筋を割るのは簡単ではありませんが、トレーニングと食事を工夫する事で理想とする腹筋を手に入れましょう。
本記事のライター
「筋トレナースマン」
看護師歴6年目。
筋トレ歴はホームトレーニー時代を含めると6年目。
医療、解剖学的観点から筋トレにアプローチしていく。
ボディメイクを世間に浸透させることが目標。