フリーウェイトで筋トレをしている方であれば必ずといって出てくるであろう欲求…。
それが「重量を伸ばす」という事。初心者のうちであれば重量は面白いほど伸びていきますよね。
でも重量を伸ばすという事には、怪我のリスクが上がるという事も伴います。
怪我をしてしまうと、軽い怪我であれば数日間の休息で済むかも知れませんが、大きな怪我になってしまうと日常生活に支障をきたすような事も考えられます。
今回はそんなトレーニーの悩みである重量を伸ばすという事と怪我のリスクを下げるという目的を達成できるアイテム、「トレーニングベルト」について紹介していきます。
トレーニングベルトと効果
トレーニングベルトとはその名の通り、トレーニング中に着用するベルトの事です。
一般的なベルトとは違い、幅が広いつくりになっています。
期待される効果としては力を発揮しやすくなる事で扱う重量のアップや怪我、特に腰痛の予防に効果的です。
腹圧とは?トレーニングベルトとの関係について
皆さんはフリーウェイトの御三家、ベンチプレス、バーベルスクワット、デッドリフト等のBIG3をやった事がある人、あるいはやっているのを見た事はありますか?
皆さんそれぞれ自分の行いやすいスタイルでこれらの種目をやっていると思いますが、初級者を除く全ての人に共通しているのが、力を入れる前に大きく息を吸い込み、そして息を止めながら腹筋に力をこめるという動作を行っているのです。
俗にいう「腹圧をかける」と呼ばれるものですね。
腹圧とは、その名の通りお腹に圧力をかけることです。
これだけ聞くと多くの人は「腹筋に力を入れればいいんだ」と思うのではないでしょうか。
これも間違ってはないのですが、もう一つプラスαで意識していただきたい事があるのです。
まず多くの方が想像されていると思うのが単純に腹筋に力を入れてお腹がへっこんだ状態です。よくプールなどでおじさんが見栄を張っている姿といえばわかりやすいかもしれません。
それに対して正しい腹圧のかけ方は大きく息を吸い込み、お腹をパンパンに膨らませた状態にしてから腹筋に力を入れるのです。
腹圧と最大筋力には密接な関係があるとされており、実際ただ腹筋に力を入れたときよりも体幹が大きく向上し挙上重量はアップするのです。
逆に腹圧をかけないと体幹が安定せずに腰や背中が曲がってしまい怪我をしやすくなります。
さらに、トレーニングベルトをつける事で外部から強制的に腹部膨張を制限します…なんてわかりにくい事をいっても伝わらないと思いますので、トレーニングベルトは腹圧を向上させるためのアイテムで、結果として最初に述べた重量のアップや怪我、予防に効果的という事だけわかっていただければと思います。
トレーニングベルトの選び方
トレーニングベルトの選び方①素材で選ぶ
トレーニングベルトは素材によって特徴が異なります。
ここでは、革製とナイロン製のそれぞれの特徴を解説いたします。
・革製
革のトレーニングベルトは、伸縮性が無いのでしっかりと締め付けて固定させたい方に向いています。
上げる重量も比較的重く、目安としては自分の体重よりも重いものを持ち上げたい場合に使います。
BIG3で使用するのは必ずといっていいほど革製のものが私用されます。
お手入れの方法ですが、丸洗いができないものがほとんどなので、使用後はジムにあるアルコールスプレーでの消毒や乾いた布で汗を拭き取って、自然乾燥させておくようにしましょう。
・ナイロン製
ナイロン製は、軽くてお手入れが簡単な女性や初心者の方に人気があります。
マジックテープで止めるものが多いので、着脱は革製のベルトよりも良いといえます。
またナイロンは伸縮性があるので、体の動きに沿いやすく体へのプレッシャーがそこまで強くありません。
ただし、その分、腰や体幹を支える力も弱めです。比較的軽量のトレーニングなどに向いています。
トレーニングベルトの選び方②バックルで選ぶ
トレーニングベルトのバックルには主に3種類あります。
着目すべきはつけやすさはもちろんですが、はずしやすさも重要です。
トレーニングベルトをつけてのトレーニングは高重量を扱うようなハードなものが多いです。
トレーニングベルトをはずす際にてこずってしまうようだと、結構な負担になります。ですので着脱の両方の面から優れているものを選ぶといいでしょう。
・ピンタイプ
通常のベルトのように複数空いている穴にピンを刺してベルトを固定します。ピンは1本のものもありますが、2本の方が安定しているため腹圧がかかりやすいです。
ピンが2本あると、慣れない内はひとりで装着することがやや難しく感じるかもしれません。
・レバーバックル
ちょうど良いところでレバーを倒すと、その位置でベルトを固定することができます。
このレバーバックルはピンはありませんが、レバーを差し込む穴は開いています。
しかし、ピンタイプよりも付けやすく、腹圧もかけやすいです。
初心者の方でも比較的簡単に装着できます。ただ比較的値段がするものが多いのが欠点です。
・フックバックル
フックバックルは、つけやすく外しやすいと言われています。
スライドさせるようにしてベルトを締め、ちょうど良いところで留めるだけです。取り外しも同じ要領で簡単です。
トレーニングベルトのつけ方
トレーニングベルトのつけ方①ベルトを巻く位置
トレーニングベルトは、肋骨と骨盤の間に巻きます。おへその上にベルトが来れば、おおよそ正しい位置で装着できます。
トレーニングベルトのつけ方②ベルトを締める
トレーニングベルトをつける位置が決まったら、ベルトを巻きます。
利き手を使って思いきりベルトを締めましょう。目安としては、ほんの少し息が苦しいという程度です。
ここでのポイントとして十分な締め付けができずに腹圧を十分にかけられないままトレーニングをしている方が多く見受けられます。
パワーラックの柱などにベルトの先を少し巻き付けて、重心を後ろに掛けるようにすると締りやすくなります。
トレーニングベルトのつけ方③正しくベルトが締められているかを確認
ベルトを装着したら、鏡で前と後ろを確認します。
ベルトがまっすぐつけられていることと、位置が上過ぎたり、下過ぎたりしないことを目で確かめてください。
特にベルトの後ろ部分は、腰や背中の骨を守る役割をするので、手で触って骨や筋肉がしっかり守られていることを確認するようにしましょう。
トレーニングベルトを使った筋トレ
トレーニングベルトにも様々なタイプのものがあるとお伝えしましたが、それぞれのベルトにも適したトレーニングがあります。
初心者の方でBIG3などを行わず、マシンやダンベルなどでのトレーニングを行う予定の方は、ナイロンベルトをおすすめします。
ですが、BIG3なども行っている方や、初心者でも今後本格的に筋トレを行うような方は革製のトレーニングベルトをおすすめします。
おすすめのトレーニングベルト紹介
初心者や女性向けのナイロン製トレーニングベルト、革製トレーニングベルト、レバーバックルタイプのトレーニングベルトに分けておすすめのトレーニングベルトを紹介していきます。
ナイロン製トレーニングベルトのおすすめ
Schiek(シーク) リフティングベルト 4004(日本正規品)
Schiek社製のベルトは体のラインに沿ってしっかりとフィットする形状を持っており4004モデルは下背部にパッドが付いているため、より腰・仙骨部分の安定性を増すことができます。
締め付け強さはベルクロで調整できるため、自分に最適な締め付け強さに調節できます。
折りたたみが可能なので、移動時の持ち運びに便利です。
布製トレーニングベルトのおすすめ
ハービンジャー(Harbinger)トレーニングベルト
なんといっても他に類をみないピンクデザインは女性にぴったりといえるでしょう。(一応男性用のブラックのデザインもあります。)
バックサポートは、軽量な発泡フォームのパッドが入っておりウェストをサポートします。
また内側に肌触りのよいトリコット布地を採用。快適なフィット感を実現しています。幅約7.6cm(3インチ)のストラップと頑丈なステンレスローラーバックルに加えて、調整可能な強力ワンウェイベルクロを採用し、腹圧もしっかりかけることができます。
革製トレーニングベルトのおすすめ①
Motomo ウェイトトレーニング用 レザー ウエイト リフティングベルト ウエイトトレーニングベルト
材質の方は高品質な牛革製であり、丈夫な材質のため長く使えます。
裏地にはやわらかい素材を使用しているため締め付けによる痛みを軽減してくれます。
トレーニング中の吸汗性も高いため、汗が流れるのも途中で止まり快適なトレーニングも続けられます。
レンレススチールの2本ピンで、1本のピンタイプよりも安定感があることに加え、サビに強い素材を使用しています。
サイズ調整ホールが10つあるため、増量期や減量期で身体が変わってしまった場合も問題なく装着する事ができるでしょう。
ピンのある前側が狭いタイプのため、前かがみの姿勢になっても苦しくありません。
体型の大きな男性や、腹圧のかかりやすいトレーニングをする人にもおすすめになります。
革製トレーニングベルトのおすすめ②
apt’(エーピーティー) パワーリフティングベルト パワーベルト
本格高級牛革を使用した本格派のパワーベルトです。
厚さは約1.1cm。圧倒的な安定感・ホールド感です。
しっかりとした作りでまったく不安はありません。
デメリットは他のトレーニングベルトに比べると革が硬いのでなじむのにかなり時間がかかり、締め付け時は痛みが強めのところ。
装着するときも硬いので、着脱は大変なのでパワーラックなどに巻いて締め付けたほうが良いでしょう。
革製トレーニングベルトのおすすめ③
アディダス(adidas) トレーニングベルト ウェイトリフティング
幅広のパワーベルトタイプになります。、腰の部分にクッション性パッドがついていて、腰部分をしっかりサポートしてくれます。
締め付けも痛みを感じるほどではなく、トレーニングを快適なものにしてくれるでしょう。
メタル製バックルに2本ピンでしっかりと固定できるタイプのトレーニングベルトです。
おなじみのアディダスのロゴが正面に入っており、無骨なデザインの多いパワーベルトの中では優れたデザイン性となっています。
レバーバックルタイプのトレーニングベルトのおすすめ
エスビーディーSBDベルト
筆者の感想としては現段階でSBDベルトを超えるトレーニングベルトはないのではないかと個人的に思っています。
ベルトの幅は10cm、厚みは1.3cmです。
素材には、5ヶ月以上の時間をかけて製造された強靭さと耐久性のあるイギリス製の皮革が使用されています。
革は固く厚く、高重量を使用しても安心感があります。
BIG3では、これって反則だと思うほど体幹を支えてくれます。
内側はスウェードで内張りされており、高級感があります
またSBD以外のレバーアクションベルトは自分のサイズに金具を合わせて、その金具をベルト本体にネジで固定します。
そのため増量や減量による体重やウエストの変化が起こると、ネジを外して金具をズラしてサイド固定するという手間が生じてきます。
もちろん一度サイズを合わせてしまえば脱着がしやすく、セット間が非常に楽なのですが、このネジで固定すると言う作業が必要無く、その場でのサイズ変更にも対応した画期的なレバーアクションベルトがこのSBDベルトになります。
増量期や減量期、体重の増減が4〜5kg以上の変動がある方はSBDを選択するべきでしょう。
価格が高価な事がデメリットとして上げられますが、耐久性などを考慮しても長期に渡って使用できるものなので、むしろ得した気分になります。
本格的にトレーニングに取り組む覚悟のある方にも是非おすすめしたいです。
まとめ【パフォーマンス向上、怪我の予防!つけない手はない?トレーニングベルトの効果とおすすめのトレーニングベルトについて!】
①トレーニングベルトとはトレーニング中に着用するベルトの事で、一般的なベルトとは違い、幅広の作りになっている。
期待される効果としては腹圧がかかりやすくなる事で特にBIG3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)扱う重量のアップや怪我、特に腰痛の予防に効果的である。
②トレーニングベルトは様々な種類があり、素材で選ぶ方法(革製、ナイロン製)とナックル(ピンタイプ、レバーバックル、フックバックル)で選ぶ方法がある。
③トレーニングベルトのつける際の注意点としては
- ベルトを巻く位置
- ベルトを締める
- 正しくベルトが締められているかを確認する
が挙げられる。
特に2は目安としては、ほんの少し息が苦しいという程度までベルトを締める必要がある。
十分な締め付けができないと、腹圧がかからず重量が落ちたり怪我を招いたりする。
以上になります。トレーニングベルトをつけてトレーニングのパフォーマンスを向上させると共に怪我なくトレーニングに取り組みましょう!
本記事のライター
「筋トレナースマン」
看護師歴6年目。
筋トレ歴はホームトレーニー時代を含めると6年目。医療、解剖学的観点から筋トレにアプローチしていく。ボディメイクを世間に浸透させることが目標。