ダイエットをする時、避けては通れないのが運動です。ダイエットのためには有酸素運動を行うことが必要とよく耳にします。
運動を始めたいけれど、いきなりジムに行くなんてハードルが高すぎる。忙しくて運動をする時間なんてない。そう考えている方も多いのではないでしょうか。
まずは手軽にできる有酸素運動があります。
この記事では、効果的に有酸素運動を行うための考え方や自宅でも始められる数種類の有酸素運動をご紹介します。
有酸素運動の効果は?ダイエットにもきくの?
人間が身体を動かすための運動には、必要なエネルギー源の違い、酸素の要不要から2つに分けることができます。
短時間に大きな力を発揮するために必要なエネルギー源は主に糖質、長時間にわたって小さな力を持続的に発揮するために必要なエネルギー源は主に脂質です。
有酸素運動は、主に脂質をエネルギー源として行う運動となります。
有酸素運動とは?
長時間にわたって持続的に運動するために、糖質や脂質を酸素によってエネルギー源に変えています。
体内で糖質が不足すると、脂質を酸素によって燃焼させ、エネルギーを作り出すことから有酸素運動と呼ばれています。
エネルギーを生産するために脂肪を燃焼させることが、ダイエットには有酸素運動が必要と言われる要因です。
ウォーキングやジョギング、水泳などがこれにあたります。
無酸素運動とは?
有酸素運動に対して、無酸素運動があります。
短時間に瞬発的な力を発揮するためには、筋肉の中に貯蔵されているアデノシン三リン酸(ATP)がエネルギー源となります。それを生成するために必要なものは糖質です。
運動の持続時間は、7〜8秒程度。
酸素を必要としないことから、無酸素運動と呼ばれています。筋トレやダッシュなどがこれにあたります。
有酸素運動の効果
②心肺機能の向上
③基礎代謝量の向上
④生活習慣病の予防
⑤ストレス解消
①脂肪の燃焼
有酸素運動は、主に脂質を酸素によって燃焼させることでエネルギー源を産生しています。
そのため、脂肪を燃焼する効果を得ることができます。
一般的には、脂肪燃焼が始まるのは運動開始後20分とされています。
しかし、最近の研究では、5〜10分程度の細切れでも運動を繰り返すことで体脂肪は減少することが分かっています。
②心肺機能の向上
有酸素運動を行うことにより、血液循環が良くなります。
血液を循環させる役割は肺や心臓が担っています。
そのため、有酸素運動を行うことで血液循環が良くなれば、肺や心臓の働きを促すことにつながり、心肺機能の向上が得られます。
③基礎代謝量の向上
有酸素運動では、心肺機能が向上するため、その観点から基礎代謝量の向上を得ることができます。
しかし、基礎代謝量をより多く向上させるためには、筋肉量の増量が必要となるため、筋トレなどの無酸素運動が適しています。
④生活習慣病の予防
有酸素運動は、内臓脂肪量を減少させる効果もあるため、高血圧や動脈硬化などの予防・改善を期待できます。
生活習慣病予備軍と言われる高血圧や動脈硬化などが予防されるため、生活習慣病の予防にもつながります。
また、免疫力が高まるため、生活習慣病だけでなく風邪などの病気にかかりにくくなります。
⑤ストレス解消
有酸素運動には、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの分泌を高める効果があります。
セロトニンは幸せホルモンと呼ばれ、うつ状態の改善やうつ病の予防に効果的です。
また、有酸素運動にはストレスに耐える力、ストレス耐性を高める効果もあります。
精神的な健康を保つためにも、有酸素運動は効果的です。
オススメの有酸素運動の種類
有酸素運動は、軽い負荷で長時間にわたって持続的に行う運動です。
ウォーキング
最も簡単に行うことのできる有酸素運動の一つがウォーキングです。
これは、普通に歩く速さよりやや速度を上げた時の消費カロリーとなります。
また、ウォーキングは、必要な道具のない手軽にできる有酸素運動です。
ダイエット効果だけでなく、心肺機能の強化や肝機能の改善、生活習慣病の予防、リラックス効果など、身体にとって様々な効果が期待できます。
ジョギング
走りながら会話ができるくらいの運動強度なので、家族や仲間を誘って一緒に行うことができます。
また、ジョギングはダイエット効果だけでなく、生活習慣病の予防や心肺機能の強化、筋力の強化などにもつながる有酸素運動です。
サイクリング
普通の自転車に乗った時の速度は、時速16km以下となりますが、それより速く走ることを指します。
ママチャリでは速度を上げることは難しいため、サイクリング用の自転車やウエア、ヘルメットなどの準備が必要となります。
走る場所も限られるため、始めるにはややハードルの高い有酸素運動です。
水泳(クロール)
水泳も有酸素運動の種類の中でも代表的なものの一つです。
全身に水圧が負荷となってかかるため、比較的、運動強度が高いものとなります。
プールを利用する際にコストはかかりますが、水着やタオルなど、準備するものは比較的少なく取りかかりやすい運動です。
足踏み運動
自宅で手軽に始められる有酸素運動の一つが足踏み運動です。その場で足踏みをするだけ。
普通に歩く時よりも腕を振り、太ももを上げるように意識すればより効果的です。
太ももやお尻のシェイプアップにつながります。
また、姿勢良く足踏みを行うことで、腹筋や背筋などの体幹も使うため、ウエストを引き締める効果も期待できます。
踏み台昇降運動
階段や踏み台を準備し、段差の昇り降りを繰り返す運動です。
階段であれば、準備するものは必要なく、これも手軽に始められる有酸素運動です。
段差、踏み台の高さを上げることで負荷を大きくすることが可能です。
太ももやお尻の筋力を向上させる効果が期待でき、ふくらはぎなどのシェイプアップにもつながります。
フラフープ
フラフープをウエストのくびれ部分に合わせ、左右に回す運動も有酸素運動の一つです。
下半身をしっかりと固定した状態で行うことが効果的です。
フラフープの数を増やし同時に数本を回すことで負荷を高めることもできます。
腹筋や背筋などの体幹を使うため、ウエストや下半身の引き締めにつながります。
縄跳び
縄跳びは比較的、安価で準備することができる手軽な有酸素運動です。
少しかかとを上げて行うとより効果的です。
様々な飛び方、バリエーションが豊富であることから、飽きにくい運動でもあります。
ふくらはぎを中心とした下半身だけでなく、縄を腕で回すため上半身のシェイプアップにもつながり、瞬発力を高める効果も期待できます。
ライブやスポーツ観戦(動きを伴うもの)
動きを伴うライブや応援をしながらのスポーツ観戦は、有酸素運動になります。
スポーツ観戦に関しては、野球やサッカー、バスケットボールなど様々なプロスポーツチームがあり、チームそれぞれに個性的な応援方法があります。
好きなチームを応援しながら観戦するだけで有酸素運動になります。
ダイエットを成功させるには、ただ有酸素運動をするだけでは足りない!
ダイエットのためには有酸素運動を行うことが重要です。しかし、ただ有酸素運動だけを行えばダイエットできるのかというと、そうではありません。有酸素運動の効果を高めるために知っておきたい、いくつかの注意点を挙げていきます。
休息期間を作る
①消極的休養と積極的休養を取る
運動をすると、誰でも当然疲れます。疲れがたまると、ケガの原因になったり、筋力低下を招いたりすることがあります。トレーニングを完全に休むことやマッサージなど身体のケアを受けること、ゆっくりと入浴すること、良質な睡眠を取ることなど消極的休養と呼ばれる休養方法を取り、疲労回復をはかることができます。また、負荷の軽いトレーニングを行うことで、疲れた筋肉への血液循環を促し、疲労回復をはかることができる積極的休養と呼ばれる休養方法も選択肢の一つです。
②超回復を促す
筋トレなど負荷の高いトレーニングによって筋肉の中にある筋線維の一部が壊れます。24〜48時間の休息期間によって筋線維は修復され、元の状態よりも太くなります。これを超回復と言い、繰り返すことによって筋力向上が得られます。これらのことを考慮して、2〜3日に1度は休息を取ることをおすすめします。ただし、ウォーキングなど、負荷の低い運動であれば毎日行っても問題はありません。
基礎代謝量を高める
有酸素運動の効果を高めるためには、基礎代謝量を向上させる必要があります。基礎代謝とは、呼吸や血液循環させるための心臓の働き、体温の維持など、人間が生きていくために必要最低限のエネルギー代謝のことです。基礎代謝に影響する因子には、年齢、性別、筋肉、栄養状態などがありますが、基礎代謝量を高めるために自ら働きかけることができるのは、筋肉と栄養状態(食事)です。
①無酸素運動を組み合わせる
ダイエットをするためには、基礎代謝量の向上が必要不可欠となります。基礎代謝量を向上させる因子として筋肉があります。有酸素運動では、心肺機能は高まりますが、筋力向上は十分に得ることができません。そのため、筋トレなどの無酸素運動で筋力向上をはかり、筋肉量を増やす必要があります。筋肉量を増やすことによって、基礎代謝量の向上を得ることがきます。筋肉量を増やして有酸素運動を行えば、運動効果も向上します。ダイエットには、有酸素運動だけでなく、無酸素運動の組み合わせが必要です。
②食事に気を配る
ダイエットをする上で欠かせないのが、食事制限です。しかし、間違った食事制限を行えば、筋肉量の減少や疲労の蓄積にもつながります。飢餓や低栄養状態では基礎代謝量が低下し、逆にたんぱく質の摂取量が多いと高くなります。肉類や魚類、大豆製品など、たんぱく質が多く含まれる物を摂取することが重要です。また、筋肉量を増やすためにも、たんぱく質を多く摂取する必要があります。バランスの良い食事を心がけ、必要に応じてプロテインなどのサプリメントを摂取することも考慮していくとよいでしょう。
準備運動を行う
どんな運動にもケガをする可能性があります。有酸素運動を行う前には、ストレッチや体操などの準備運動を行い、ケガの予防に努めます。
水分補給をする
脱水を引き起こす危険性があるため、運動前や運動中は水分補給を十分に行います。発汗量などを考えて、運動後にも水分補給を忘れないようにします。
姿勢や運動フォームに気をつける
姿勢や運動フォームが崩れることによりケガをする可能性があります。正しい姿勢を意識し、必要に応じて専門家に正しい運動フォームの指導を受けることも大切です。
食後の運動は避ける
食後30〜60分は、食べた物を消化するためにエネルギーを使用しているため、食後すぐの運動は避けるべきです。ダイエット目的であれば、食前の運動が適しています。食事前の体内は糖質が消費されているため、有酸素運動による脂肪燃焼が促進されます。
数種類の有酸素運動を組み合わせてダイエットを成功させよう!
ダイエットをするために必要な有酸素運動。たくさんの種類がありますが、いきなり本格的な有酸素運動を行うのはハードルが高いものです。まずは手軽に始められる有酸素運動から挑戦してみてはいかがでしょうか。運動に身体が慣れてきて物足りないと感じるようになれば、より多くの種類の有酸素運動に挑戦することもできます。今回挙げた数種類の運動の中から、まずは簡単にできそうな有酸素運動から始めてみましょう。