先日令和初めてのお正月を迎えましたが、皆さん正月太りはしていないですか?
正月はコタツで過ごす時間が多くなり、食べ物もおいしいため太ってしまう人も多いのではないでしょうか。
今年こそは痩せようなんて考えていた方も出鼻をくじかれたかも知れませんね。
でも大丈夫。今日から実践できるHIITという運動を継続的に行う事ができれば、必ず痩せる事ができるでしょう。という事で今回のテーマはHIITです!
HIITとは
「HIIT」とは「High-Intensity Interval Training(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)」の略。
いわゆる高強度インターバルトレーニングのことを指します。
インターバルトレーニングとは、高負荷の運動と低負荷の運動を交互に入れること。
それの強度をぐんと高めたものがHIITなのです。
HIITはダイエットに効果的
一般的な運動ですと、運動そのもので消費されるカロリーに目がいきがちです。
しかしHIITの最大の特徴は、運動そのもので消費されるカロリーよりも運動後の代謝の高い状態を維持できるためエネルギーを消費しやすい体になることです。
運動後3~14時間、場合によっては24時間程度代謝の高い状態が持続する(アフターバーン効果)ことがわかっています。
つまり、「HIIT」を行えば就寝中でも脂肪燃焼効果が期待できるわけです。
なぜHIITでアフターバーン効果が起こるの?
「アフターバーン効果」とは運動後に酸素摂取量が増えてエネルギーが作られ続ける状態のことを指しますが、エネルギー源として脂肪が使われます。
これは軽い運動では起こりません。負荷の高い運動で、運動するほど増加します。
18~35歳の男性を対象にHIITグループ(20秒の全力ダッシュ+10秒休憩)8セット、持続運動グループ(30分間のランニング)で効果を比較した調査研究でも、「HIIT」の方が運動後エネルギーを多く消費するという結果が出ています。(画像参照)
HIITのメリット
メリット①:HIITは短時間で行える!
ダイエットを継続できない理由として、普段の生活が忙しく運動をする時間が取れないという人も多くいます。
そんな人にとってHIITは理想的なトレーニングかもしれません。
20秒のややきついと思える運動と10秒の休憩または負荷の軽い運動を8セット繰り返すというのが、トレーニング時間になるので、およそ240秒、約4分程度でトレーニングを終える事ができます。
1日の中で4分程度であれば、どんなに忙しい方でもなんとか時間を作る事ができるのではないでしょうか。
忙しい現代人にとっての味方であるHIIT。やらない手はないですよね。
メリット②:HIITは筋肉減少しにくい
通常有酸素運動は筋肉にかかる負荷が軽度なため、肥大しにくく持久力を発揮する遅筋という筋肉しか使われないとされています。
また、一定時間以上に運動を続けることで、通常は脂肪を燃やして作られていたエネルギーが、筋肉を分解されて生成するようになります。
筋肉のタンパク質がエネルギーとして使われてしまうため、筋肉量が減ってしまう場合もあるでしょう。
これが有酸素運動の最大のデメリットと考えるのは筆者がウェイトトレーニングを行っていることも関係しているかもしれません。(筋量を落とさずに減量を行う事がもっとも理想的な減量といわれています。)
しかし、ウェイトトレーニングをしていない一般の方にとってもこれは関係のない話ではありません。
体重の減少=脂肪と筋肉の減少というのは誰しも避ける事ができないのです。
筋肉の減少は基礎代謝の減少を招きます。基礎代謝が下がってしまえばどんなに体重が落ちたとしてもリバウンドしやすい身体になってしまうのです。
ですがダイエット時の筋肉量の減少もHIITでは解消できます。
HIITはトレーニングの際の筋肉への負荷となる強度が高く成長ホルモンも大量に分泌されるために、体脂肪が減り筋肉が増えるのです。
そのため、ウェイトトレーニングを行っているかどうかの有無にかかわらず、ダイエットするのであれば有酸素運動ではなくHIITをする事をおすすめします。
メリット③:HIITは心肺機能の向上に効果あり
運動強度が高いトレーニングと、運動強度が比較的低いトレーニングもしくは休憩を交互に繰り返すのがHIITとお伝えしましたが、大きな負荷をかける短時間のトレーニングは、息が切れて酸素が不足します。
すると、足らない酸素を補うために、体は大量の酸素を取り込みます。
肺で酸素を摂取すると、心臓は取り入れた酸素を血液にのせて全身の細胞へ運び、今度は古い血液を戻してキレイにし、二酸化炭素を排出します。
大量の酸素を体内で循環させるため、心肺機能が活発化して強化されるという効果が期待できます。
また、心肺機能が向上すると、持久力が備わってきます。
同じ強度の運動を行っても、息切れしなくなりより負荷を強くしたトレーニングにも耐えられるようになるというメリットが生じるのです。
HIITはマラソンや水泳など中程度の強度の有酸素運動を続けるよりも効果が高いと言われています。
それは、HIITは1分間にどれくらいの酸素を取り込るかを示す最大酸素摂取量(VO2max)を一気に、効率よく上げることができるからだと考えられています。
よく高校や中学の部活動などで、だらだらとメリハリもなく長距離の持久走をしていた筆者の身からすれば、短時間かつ効果的に心肺機能を向上させる事ができるHIITをトレーニングに取り組んでおけばよかったと思う事があります。
この記事を読んでいる本気で何かしらの競技に取り組んでおり、持久力を向上させたいと思っている人がいればぜひメニューに取り入れてほしいです。
メリット④:HIITは食欲抑制作用がある
有酸素運動をした後ってお腹がすきませんか。それにかまけて今日は運動をしたからいいだろうと食が進んでしまう事も少なくないはず。
HIITならその心配はありません。
HIITは有酸素運動と違って強度が高いため、CRF(副腎皮質ホルモン刺激ホルモン放出ホルモン)が放出されやすく、食欲の抑制を起こしやすくなります。
実際にやってみるとその効果をまじまじと実感する事ができます。非常に疲労感を感じ食欲どころではなくなるといったほうが正しいかもしれません。
これはダイエットをする人にとっては喜ばしい事ですね。
しかし食欲がないからといって何も食べないというのは一番してはいけない事。筋肉の減少だけではなく体調不良を招きます。必要な量の栄養は必ず摂るようにしましょう。
HIITのデメリット
これまでHIITの良いところばかりをお伝えしてきました。
こんなにいいところばかりであればみんな実践しているし、ダイエットで困る事なんてないですよね。
これには理由があります。
それはHIITの唯一にして最大のデメリット「死ぬほど辛い」があるからです。
短時間で行えるのだからそんなに疲れないのでは?と思う人もいるかもしれません。しかし実際にやってみるとわかります。長時間なんて行えたものではないです。むしろはじめのうちは短時間ですら行えたものではないです。
この運動強度の高さを経験してしまうと、確かに辛くて継続できない人の気持ちもわかります。
ですがこの辛さを乗り越える事ができれば、先ほど挙げたような多くのメリットを体感する事ができるでしょう。
ダイエットにはネット広告でみるような楽な方法はありえません。サプリメントで痩せるような方法はありえません。あるとすればそれは医薬品になってしまい薬事法違反になってしまいます。
そういった類のものにはだまされず、地道に努力を重ねたものだけが痩せる事ができるのです。
HIITトレーニングのポイント
それでは最後にHIITをするときのポイントを解説していきます。
まず基本的な考え方は、
運動→休憩の時間を、2:1の比率で組み合わせ、それを4分以内の中で繰り返し行います。
よくあるHIITのメニューのパターンとしては、20秒の運動、10秒の休憩、1セット30秒を、合計8回行います。
この20秒の運動の強度が重要なわけですが、その目安としては最大心拍数の70-80%の強度を狙います。
キツイとやや楽の間らへんの「ややキツイ」くらいの強度です。
「最高にキツイ」を100%とし、「非常にキツイ」を90%としたら、「キツイ」が80%で、「ややキツイ」が70%、そして「やや楽」が60%です。
そのため「やや楽」と「キツイ」の間で、キツイよりの強度を狙います。
HIITのトレーニングメニュー
HIITは20秒のややきついと思えるような運動、10秒の休憩、1セット30秒を、合計8回行うという考えを守れば特にこれをやらなくてはいけないというような運動はありません。
そのためこちらで説明するメニューはあくまで一例であり、自分に合ったメニューをHIITを行っていくうえで探していくのが良いかと思われます。
①インターバルラン
- 8割位の力を出して、まずは20秒程走り続けます。
- 10秒程休憩をします。止まらないで歩くか軽くランニングします。
- 再び20秒間のダッシュ、休憩を4分続けます。
もっともシンプルなHIITトレーニングになります。
特に器具なども必要とせずに行う事ができるので行いやすいトレーニングともいえます。
ジムなどで行う場合はトレッドミルなどでも速度を調整するなどしてトレーニングする事が可能ですので試してみても良いかもしれません。
参考動画
②エアロバイク
- 8割位の力を出して、まずは20秒程こぎ続けます。
- 10秒程休憩をします。止まらないで軽くこぐようにします。
- 再び20秒間のこぎ続けます、休憩を4分続けます。
こちらは自宅やジムなどにエアロバイクがある方にお勧めのメニューになります。
こちらのメリットとしては実際に走ったりすることで生じるような捻挫などの怪我が起こりにくく怪我しにくいといった特徴があります。(もちろんきついですが…)
参考動画
③バーピー
まず最初に以下のような状態になりましょう。
・足を肩幅に開く
・スクワットの姿勢になる(お尻を引く)
その後の基本的な流れは以下の流れを繰り返します。
- しゃがんで両手を床につく(両手に全体重を移す)
- 両足を後ろに伸ばす(腕立て伏せの姿勢になる)
- 腕を曲げて腕立て伏せをする
- 脚を戻してしゃがんだ姿勢になる
- そのまま上にジャンプする(腕を上に上げる)
- 再びしゃがんで両手を床につく ※以降繰り返し
以上の動作を20秒繰り返し、10秒間休憩するという動作を1セットとし8セット繰り返します。
このトレーニングは、スクワット(脚)・腕立て(上腕二頭筋、三角肩)・ジャンプ(大腿四頭筋、ハムストリングスなど)・クランチ(腹筋)などの動作が入ってくるので、これまでのトレーニングメニューとは異なり上半身も鍛える事ができます。
参考動画
HIITを行ううえでお勧めのアイテム
HIITは20秒間心拍数を70~80%を維持して運動を行い、10秒間休憩を行うというトレーニングを繰り返します。
ここで重要になってくるのが心拍数です。
慣れてくると大体ですがどのくらいの強度でトレーニングすればよいかわかってくると思いますが、慣れるまでは自分の心拍数を実際に目視できると良いかもしれません。
そこでスマートウォッチというものを利用すると心拍数だけでなく、歩数・距離・カロリー消費・運動距離と時間の記録、さらに睡眠時間等も確認する事ができます。
HIITのまとめ
①HIITとは「High-Intensity Interval Training(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)」の略でインターバルトレーニングのことを指す。
インターバルトレーニングとは、高負荷の運動と低負荷の運動を交互に入れること。それの強度を高めたものがHIITである。
②HIITの最大の特徴は運動後3~14時間、場合によっては24時間程度代謝の高い状態が持続する(アフターバーン効果)ことがわかっています。
HIITは短時間で行える、他の有酸素運動と比較して筋肉減少しにくい、心肺機能の向上に効果あり、食欲抑制作用がある等のメリットが挙げられる。
③HIITの最大のデメリットは「死ぬほど辛い」ことです。
そのため継続ができない人もいるがそれを乗り越えさえすれば確実にダイエットに効果的である。
④HIITは20秒のややきついと思えるような運動、10秒の休憩、1セット30秒を、合計8回行うという考えを守れば特にこれをやらなくてはいけないというような運動はない。
そのため走ったり、エアロバイクをこいだり、バーピーをするなどメニューは自分に合ったものを選択すると良い。
以上になります。HIITを取り入れて効率的にダイエットに取り組みましょう。
本記事のライター
「筋トレナースマン」
看護師歴6年目。
筋トレ歴はホームトレーニー時代を含めると6年目。
医療、解剖学的観点から筋トレにアプローチしていく。
ボディメイクを世間に浸透させることが目標。