基礎代謝とは、生きていくために最低限必要なエネルギーのことです。
私達は呼吸をしようと思わなくても、自然に呼吸をしていますし、心臓を動かそうと頑張らなくても心臓は勝手に動いています。
呼吸をしたり、心臓を動かしたり、内臓を動かしたりといった生きていくために絶対必要な活動に使うエネルギーのことを、基礎代謝といいます。
同じ量を食べ、同じように活動していても、基礎代謝が高い人の方が一日の消費カロリーが多いため、太りにくくなります。なので、ダイエットを考えている場合、まず目指したいのが、基礎代謝を上げることです。
そのために必要なことが筋肉量を増やすことと、新陳代謝を活発にすることになります。
では、筋肉量を増やして新陳代謝をよくするには、具体的にどのようなことをすればいいのでしょう?この記事では、基礎代謝を上げるメリットや方法を紹介していきます。
基礎代謝のことをもっと知ろう
①基礎代謝が上がると何がいいの?
基礎代謝とは先ほども書いた通り、呼吸したり、心臓を動かしたり、内臓を動かしたりといった、生きていくために最低限必要な活動に使うエネルギーのことをいいます。
基礎代謝が高い人は、基礎代謝の低い人に比べて、寝ているだけで使うエネルギーが多くなるので、比較的太りにくくなります。
また、基礎代謝が高いということは、心臓や内臓が活発に動いているということ。逆にいうと、基礎代謝が低い人は、心臓の働きが弱くなってしまうため、低血圧になりがちですし、血液循環が悪くなるため、冷え性に悩まされやすくなります。
新陳代謝が悪くなってしまうため、肌荒れに悩まされることもあります。ですから、健康のためにも、基礎代謝は高い方がいいです。
②平均基礎代謝量について
厚生労働省が出している、一日の平均基礎代謝量は、以下のようになります。
年齢が上がるにつれ、基礎代謝量は下がります。若いうちは身体を発育させなければならないため、基礎代謝が高いのですが、ある程度の年齢に達すると、身体を発育させる必要はなくなり、今ある身体を維持するだけとなるため、基礎代謝が下がります。
ですから、基礎代謝が下がっているのに、若い頃と同じように食べていると、太ってしまうというわけです。これが、中年太りの原因です。中年太りをさけるためには、基礎代謝を上げる努力をすると共に、食事量を昔よりも抑えることが重要になってきます。はちきれるほど食べずに、腹八分目くらいで食事をやめる習慣をつけましょう。
ヨガで基礎代謝をグンとあげよう!遅筋と速筋に関係が
基礎代謝の中で最もエネルギ-消費量が高いのは筋肉です。
つまり、基礎代謝を上げるポイントは、筋肉をつけることです。そして、美しく痩せながらも、筋肉量をアップをしたい人の場合は、遅筋を鍛えることが重要です。
遅筋と速筋の違いって?
筋肉はおおざっぱにわけて、速筋と遅筋に分けることができます。
速筋のほうは瞬発力が出せる筋肉で、短距離の選手が鍛えている筋肉です。こちらはムキムキになりやすい筋肉になります。
遅筋のほうは持久力を発揮する筋肉で、長距離の選手が鍛える筋肉です。こちらはムキムキになりにくい、細くしなやかな筋肉です。マラソンランナーの選手がムキムキではなく、わりと痩せているのは、速筋ではなく、遅筋を鍛えているからなのですね。
遅筋を鍛えるならヨガが有効的!
ヨガは、この遅筋を鍛えるために大変有効です。遅筋は、有酸素運動により鍛えられる筋肉のため、深く呼吸をしながら動くヨガは、まさしく、遅筋を鍛えるのにうってつけです。
また、ヨガの動きはゆっくりとしているのですが、このゆっくりとした動きというのが遅筋を鍛える大きなポイントです。
というのも、遅筋という字からもわかる通り、ゆっくりと動くことで鍛えられるのが、遅筋という筋肉だからなのです。 ですから、美しく痩せて、かつ、基礎代謝を上げるために、ヨガを行いましょう。
また、ヨガをすることで新陳代謝もアップします。新陳代謝とは、古いものから新しいものに入れ替えることをいい、新しく髪の毛が生えたり、皮膚が新しくなったり、ツメが伸びたりするのは、全て、新陳代謝の働きになるのですが、この新陳代謝の働きが活発になると、基礎代謝も上がります。 新陳代謝が活発になると、髪の毛にツヤやコシが出たり、皮膚が綺麗になったりもしますから、美容効果も、大いに期待できます。
ヨガは、この新陳代謝の働きを活発にするお手伝いもできます。
基礎代謝を上げるヨガのポーズを行ってみよう
英雄のポーズ
英雄のポーズをすることで、下半身の大きな筋肉をしっかりと鍛えることができます。基礎代謝を上げるためには筋肉を鍛えることが重要だとお伝えしましたが、身体の中の大きな筋肉を鍛えることが基礎代謝を上げる近道になります。ですから、英雄のポーズを行ってみましょう。
遅筋をより有効に鍛えるためには、とにかく息を吐きながら、ゆっくりと動くことが何よりも重要です。ですから、深く息を吐きながら、ゆっくりとポーズをとるようにしてください。
では、英雄のポーズを実際に行ってみましょう。
英雄のポーズ(初級編)
①まっすぐの線がある場所を探してください。
ヨガマットがあれば、ヨガマットの端を活用するとよいでしょう。フローリングの線などを使ってもかまいません。
②足と足の間に線が来るように立ちましょう。
そのまま、左足を大きく後ろに引きます。この時に大切なことは、右足も左足も、親指側がしっかりと一本の線に沿っているということ。実際に、自分の目で見て、確かめましょう。
③おへそをまっすぐ正面に向けます。
両手を上にあげ、手のひらを内側に向けます。肘を伸ばし、肩は、しっかりと下げましょう。
④右脚を曲げ、重心を下に落としていきます。
理想は、右の太ももが床と並行になるまで曲げることですが、そこまでできないという方は、無理する必要はありません。ひざが、かかとよりも前に出ないように気をつけましょう。
⑤上体をゆっくりとそらします。
首だけでそらすのではなく、胸を大きく広げ、身体全体をしっかりと反らせましょう。できる範囲でけっこうです。その姿勢を10秒~20秒、深く呼吸をしながらキープします。
⑥上体を起こし、手をおろし、左足を右足のそばに戻して、直立の姿勢に戻ります。反対側も同じように行いましょう。
英雄のポーズ(中級編)
初級編がうまくできたら、中級編にもトライしてみましょう。
①今度は、真横を向いて立ちましょう。
足を大きく広げ、両腕も大きく横に広げます。
②右足を正面に向けます。そのまま、右脚を曲げていきましょう。
これも理想は、右の太ももが床と並行になるまで曲げることですが、無理をする必要はありません。ひざが、かかとよりも正面の方に突き出さないように注意しましょう。
③視線を右の指先の方に向けていきます。
④その姿勢で10秒~20秒、深く呼吸をしながらキープします。
⑤ゆっくりと、ひざをのばしましょう。反対側も、同じように行います。
英雄のポーズ(上級編)
上級編は非常に難しくなりますから、絶対に無理に行わないように注意してください。また、片足立ちで立つことになりますので、滑りやすい場所はさけて行いましょう。
このポーズは下半身を鍛えるだけでなく、バランス感覚や集中力も養うことができます。
①直立の姿勢で立ち、両腕を上にあげましょう。
②左足を床と平行になるまで、後ろにあげていきます。
それと同時に、頭と上体が床と並行になるまで、前方に倒しましょう。
③そのままの姿勢で、深く呼吸をしながら、10秒~20秒間キープしましょう。
④足をおろし、直立の姿勢に戻ります。反対側も同じように行いましょう。
三角のポーズ
三角のポーズは新陳代謝を活発にするポーズです。新陳代謝が活発になることで、基礎代謝が上がる効果が期待できるほか、血流がよくなり、冷え性、低体温などの改善にもつながります。また、このポーズは、身体のゆがみを整えてくれるので、肩こりや腰痛、膝痛などの改善も期待できます。
三角のポーズ(初級編)
では、三角のポーズを行ってみましょう。
①真横を向いて立ちましょう。足を大きく広げ、両腕も大きく横に広げます。
②右足を正面に向け、左足を、やや内側に向けます。
③そのまま上体を真横に倒し、右手で右足を触りましょう。左手は、天井の方にあげます。
④視線は左手の方に向け、その姿勢を10秒~20秒、深く呼吸をしながらキープします。
⑤ゆっくりと、上体を起こしましょう。反対側も同じように行います。
三角のポーズ(中級編)
初級編をクリアしたら、中級編にも挑戦してみましょう。このポーズはねじりの動きもくわわるため、バランスを崩しやすいので注意しましょう。
①まっすぐの線がある場所を探してください。
ヨガマットがあれば、ヨガマットの端を活用するとよいでしょう。フローリングの線などを使ってもかまいません。
②足と足の間に線が来るように立ちましょう。
そのまま、左足を大きく後ろに引きます。この時に大切なことは、右足も左足も、親指側がしっかりと一本の線に沿っているということ。実際に、自分の目で見て、確かめましょう。
③おへそをまっすぐ正面に向けます。
上体を前方に倒し、左手を、右足の小指側に置きます。右手はまっすぐに天井の方に伸ばしましょう。
④視線を右手の方に向け、その姿勢を10秒~20秒、深く呼吸をしながらキープします。
⑤ゆっくりと、上体を起こしましょう。反対側も同じように行います。
三角のポーズ(上級編)
初級編がしっかり行えるようになったら、上級編もトライしてみましょう。上級編の方が、より下半身をしっかりと鍛えるポーズになります。ただし、こちらも無理に行わないように注意してください。
①真横を向いて立ちましょう。足を大きく広げ、両腕も大きく横に広げます。
②右足を正面に向け、左足を、やや内側に向けます。
③右脚を曲げて、重心を下に落としていきます。
右の太ももが床と並行になるまで曲げるのが理想ですが、できない方は無理しなくても大丈夫です。
④右手を、右足の小指側に置きます。
床に手を置くことが理想ですが、届かない方は、ティッシュ箱など、四角い箱を右足の小指側に置いて、その上に手を置いてもいいでしょう。
⑤左手を斜め上に伸ばしていきましょう。
左脇を伸ばすようなつもりで、息をはきながら伸ばします。視線は左手の方に向け、そのまま、20秒~30秒キープしましょう。
⑥ひざをのばし、足を閉じて、直立の姿勢にします。反対側も同じように行いましょう。
独自に家で行っていると、知らないうちに間違った方法で行ってしまう場合があります。本格的に、ヨガをしようと決意したら、ヨガスタジオなどで専門の先生に見ていただくと、より効果を上げることができるでしょう。
このポーズを行ってみて、ヨガに興味が出てきたら、ぜひ、ヨガスタジオに足を運んでみて下さい。
ヨガが出来ないという方もできる範囲で基礎代謝を上げれるように変えていこう
仕事や育児が忙しくて、なかなかゆっくりとヨガができないという方も、たくさんいらっしゃると思います。そんな方でも、日常生活の中で少し気をつけただけで、基礎代謝を上げられる方法があります。
①姿勢を正す
姿勢を正しくすることは、いつでもどこでも行うことができます。たかが姿勢と思われるかもしれませんが、本気で良い姿勢を取ろうとしたら、腹筋と背筋を使いますので、それだけで筋トレになり、基礎代謝を上げることにつながります。
どうやって良い姿勢を取ればいいかわからないという方は、一度、壁に背を向けて立ってみましょう。壁と背中の間に手を差し込んでみます。手のひらがかろうじて入るか、入らないかくらいのスキマができることが理想です。それ以上、スキマが空いているという方は、腰が反り気味だということですから、普段から、腰が反らないように注意してみましょう。
壁と肩が離れてしまっているようなら、猫背の可能性が高いです。肩を後ろに引くようにしましょう。
②歩数を増やす
ちょっとしたことで歩数を増やすだけでもいいんです。スーパーまで車で行っていたけれども、歩いていってみようとか。いつもエレベーターを使っていたけれども、階段を使ってみようとか。そんなことでもかまいません。少しでも活動量を増やすことで、身体が鍛えられ、基礎代謝を上げることにつながります。
③半身浴
身体が冷え、体温が下がりがちになると、基礎代謝が低くなってしまいます。基礎代謝を上げるためにも、身体の冷えをためこまないように注意しましょう。冷えを取るのに有効なのは、半身浴です。みぞおちより下の辺りまでお湯をはり、39度ほどのお湯に、20分~30分浸かりましょう。半身浴をすることで、じんわりとじっくり、身体を温めることができますよ。
基礎代謝を上げて美しい自分に出会うために
今回は、基礎代謝を上げる方法について、ご紹介しました。美しく痩せるためにはもちろん、健康のためにも、基礎代謝を上げる努力を是非みんなでしましょう。
《全体のまとめ》
①基礎代謝とは生きているだけで使うエネルギー
②基礎代謝を上げることが太りにくい身体につながる。
③基礎代謝を上げるには、筋肉を鍛えることと新陳代謝を活発にさせること。それには、ヨガが非常に有効。
④その他にも、日常生活を少しずつ改善することで、基礎代謝を上げることができる。