ランニング時の呼吸が苦しくて困ることはありませんか?
できれば呼吸を楽にして今よりもっと楽に長く、そして速く走ってみたいですよね。
そこでこの記事では、
・ランニング時に呼吸が苦しくなる原因
・ランニング時のおすすめの呼吸リズム
・ランニング時に呼吸が苦しくなったときの対処法
という流れで、ランニング時の呼吸について詳しく解説していきたいと思います。
ランニングで呼吸が苦しくなる原因
ランニングで呼吸が苦しくなる原因①二酸化炭素の影響を受けるため
あなたはランニング時に呼吸が苦しくなるのは、酸素不足が原因だと思っていませんか?
実は酸素不足というよりも二酸化炭素濃度の上昇が大きな原因なのです。
肺には血液によって絶え間なく二酸化炭素が運ばれてくるため、肺の中の二酸化炭素の割合は安静時であっても、通常の大気の割合(0.04%)よりも高い4〜5%なのです。
この程度であれば大丈夫ですが、ランニングにより筋肉が活動すると老廃物として二酸化炭素が産生され二酸化炭素の割合が増えます。するとそれを体が感知し、増えた二酸化炭素を取り除こうとして呼吸が荒くなります。
つまり、呼吸が苦しくなる直接的な原因は二酸化炭素濃度の増加なのです。
実は酸素は普通に息を吸っていれば、十分に足りているのです。仮に、酸素の濃度が減少してしまえば、呼吸が荒くなるどころか気を失ってしまいます。
ランニングで呼吸が苦しくなる原因②走るペースが速過ぎるため
多くのランナーが呼吸が苦しくなるほとんどの理由が、走るのを頑張り過ぎているためです。
走るペースが速ければ当然呼吸が苦しくなります。短距離走を全力で走った後は、誰もが息が荒れますよね。走るペースが速く、呼吸も苦しければ長く走ることはできません。
長く走りたいのであれば、頑張り過ぎず会話ができるほどのペースが最適です。
ランニングでおすすめの呼吸リズム
【ランニングでおすすめの呼吸リズム】2歩で吸って2歩で吐くリズムがおすすめ
1分間の総呼吸量は、呼吸の深さと速さで決まります。ランニングを始めると呼吸は深くなり、呼吸の速度(回数)も増えます。
この呼吸速度というのは、たいてい足の回転(ピッチ)のリズムに合わせていることが多いです。
一流のランナーは、2歩で吸って2歩で吐くというリズムで呼吸していることが多いです。
この呼吸法は科学的にも楽な方法で、一般のランナーも同様に行うことで呼吸が苦しくなることを防ぐことができます。
おすすめの呼吸リズムの理由は?
●4歩で吸って4歩で吐くリズムの場合
ある人が、1分間に180歩のピッチの場合、4歩で吸って4歩で吐くリズムだと、1分間に22.5回の呼吸となります。
1回の呼吸で、約4Lの空気が出入りすることを考えると、1分間で90L(4L×22.5回)となります。
一見多そうに見えますが、実はこの量というのは、ランニングをする際にはそれほど多いというわけではありません。
●3歩で吸って3歩で吐くリズムの場合
1分間に180歩のピッチの場合、3歩で吸って3歩で吐くリズムだと、1分間に30回の呼吸となります。
呼吸の速度が速くなれば、呼吸の深さ(1回の呼吸で出入りする空気の量)は減少するので、この場合約3.5Lとなります。
計算すると、1分間で105L(3.5L×30回)となります。
4歩で吸って、4歩で吐くリズムより、15L多くなりました。
●おすすめの2歩で吸って2歩で吐くリズムの場合
1分間に180歩のピッチの場合、2歩で吸って2歩で吐くリズムだと、1分間に45回の呼吸となります。
このリズムの場合は、1回の呼吸で出入りする空気の量は、約3Lになります。
計算すると、1分間で135L(3L×45回)にもなります。
3歩で吸って、3歩で吐くリズムの場合と比べて、さらに1分間に30Lも多くなりました。
●1歩で吸って、1歩で吐くリズムの場合
この場合、呼吸の回数は増えますが、呼吸の深さ(1分間で出入りする空気の量)は大幅に減少します。したがって、2歩で吸って、2歩で吐くリズムよりも1分間で出入りする空気の量は減少してしまうのです。
さらに、口や鼻から取り込まれる空気の一部は、肺まで到達しないで、吐く息として排出されます。
よって、呼吸速度が速ければ速いほど、肺に届かずに排出されてしまう空気の量は増えてしまうのです。
以上のことも踏まえると、2歩で吸って2歩で吐く呼吸のリズムがよりたくさんの空気を取り込むためにベストだというわけです。
試しに色々なリズムで走ってみると、2歩で吸って2歩で吐くリズムが楽なことを実感できると思います。
ランニングで呼吸が苦しくなった時の対処法
【ランニングで呼吸が苦しくなったら…】ランニング開始直後の呼吸の苦しさは我慢
ランニング開始直後は呼吸が苦しくなることが多いですが、その理由は、安静の状態からランニングへ移行する際に心拍数が急上昇するからです。心拍数が急上昇すれば、体はまだ酸素不足に陥っていないのにも関わらず、酸素不足になると予測し呼吸が苦しくなります。
しかし、ランニングを始めてしばらくすると心拍数の上昇が止まり安定します。すると呼吸が楽になります。
したがって、ランニング開始直後の呼吸の苦しさは少し我慢してください。
ここで呼吸が苦しいからといって我慢せずにランニングをやめてしまっては、せっかくのランニングがとてももったいないです。
【ランニングで呼吸が苦しくなったら…】息を吸うことよりも吐くことを意識する
ランニング時に呼吸が苦しくなる大きな原因は、酸素の不足ではなく二酸化炭素の濃度が増加することにありました。酸素は息を吸うことによって体に取り込まれ、二酸化炭素は息を吐くことによって体の外に出されます。
したがって、息を吸うよりも吐くことを意識し、二酸化炭素を体の外に追い出すのが効果的です。
また、体の中に入る空気の量というのは限られていますので、吐くことを意識することで、吸うことができる酸素の量も増えます。
【ランニングで呼吸が苦しくなったら…】走るペースを落とす
呼吸が苦しくなるのは走るペースが速過ぎることにもありました。そのため、走るペースを落とすのが効果的です。
走るペースを落とすことでランニングの効果が薄れると心配される人もいるかもしれませんが、その分長い時間走れば問題ありません。
ダイエットを目的にランニングをされている人にとっては、ゆっくりでも長く走った方が脂肪が燃焼されやすくダイエット効果が高いのです。
また、一旦走るペースを落とし、呼吸が回復してからまたペースを上げるというのも1つの手です。特に大会でタイムを狙っている人にとっては、ペースを落としっぱなしでは自己ベスト更新は難しいですからね。
しかし、いきなりペースを上げずに、徐々にペースを上げるようにしましょう。
まとめ【ランニングで呼吸を楽にするには?おすすめのランニング呼吸法をご紹介】
ランニング時に呼吸が苦しくなる原因は下記2点です。
・二酸化炭素濃度の上昇
・走るペースが速過ぎる
また、ランニング時には2歩で吸って2歩で吐くという呼吸法がおすすめです
一流アスリートの人でもこの呼吸法を取り入れており、科学的に見ても合理的な呼吸法です。
さらに、呼吸が苦しくなったときには
・ランニング開始直後は我慢
・息を吸うことよりも吐くことを意識する
・走るペースを落とす
といった対処法が効果的です。
やはり、ランニング時の呼吸にもいくつかのコツがあったんですね。この記事を読み、ランニング時の呼吸について理解され、今より楽しいランニングライフが送れれば幸いです。