ランニングは、「走れば痩せる」と思われがちですが意外にも大きな落とし穴があることを知っていますか?
果たして、ランニングは毎日走ればいいのか、本当にダイエット効果は見込めるのかなど、ランニングに関して詳しく解説していきます。
ダイエットをしようとランニングを考えている方には、是非知っておいてほしい内容になっていますので、参考にしてみてください。
ダイエットにランニングは毎日走ってもいいの??答えはいいえ。
結論から言うと、「毎日走らない方がいい」という答えになります。
ランニングには大きな落とし穴があるとご紹介しましたが、メリットもあれば大きなデメリットも存在します。
近年では、ランニングに関しての研究が進み、その効果と共にカラダへの「害」もわかってきました。
それでは、ランニングのメリットとデメリットを詳しくご紹介していくと共に、ダイエットへの活用方法も解説していきます。
ダイエットでランニングを毎日走る場合のメリット
ランニングを毎日走った時のメリットから詳しく見ていきましょう。近年の研究結果から得られた情報も合わせてご紹介します。
ランニングを毎日走るメリット①:カロリー消費量が高くなる
ランニングを毎日走る大きなメリットの1つは、「カロリーを毎日消費できる」ことです。
ランニングで消費できるカロリーは、強度にもよりますが30分で約250キロカロリーです。
これを毎日消費し続ければ、10日で2500キロカロリーもの消費が見込めます。
走らない人に比べ、痩せるスピードも速くなり、心肺機能も強化される効果もあります。
ランニングを毎日走るメリット②:心臓疾患のリスク軽減
アメリカ心臓病学会誌に掲載された論文[1]では、毎日5~10分のランニングを行っている人は、ランニングをしていない人に比べ、心臓疾患で死亡するリスクが45%も低く、平均約3年も寿命が長くなる可能性があることがわかっています。
また、ランニングが、心肺機能を強化することにも大きな役割を果たしているという結果がでています。
ランニングを毎日走るメリット③:気分転換には大きく役立つ
ランニングをすることで、脳が刺激され「感情のコントロール」「記憶力の向上」が見込めます。
研究論文[2]では、被験者に悲しい動画をみせた後に、ランニングをするグループとしないグループの「感情の回復」を比較したものがあります。
その結果、ランニングをしたグループの方が「感情の回復が早かった」という実験結果になりました。
このことからも、ランニングには「気分転換の効果」が大きくあることがわかります。
ランニングにハマる人の多くは、「気分の向上」がやみつきになり継続される方も多くいらっしゃいます。
ダイエットでランニングを毎日走る場合のデメリット
それでは、ランニングを毎日走ることで起きるデメリットはどんなものがあるのでしょうか?
ランニングを毎日走るデメリット①:老化が早まる
ランニングを毎日走ることで「活性酸素」が大量に発生し、「老化」が早まる可能性があります。[3]
特に長い時間走ったり、早いスピードでランニングを行うと老化の原因である活性酸素が多く発生します。
屋外で走る場合も、排ガスを多く吸い込むことで活性酸素が発生してしまい、老化の要因になってしまいます。
ランニングを毎日走るデメリット②:筋肉が減ってしまう
ランニングを45分以上走ってしまうと、筋肉をエネルギーとして使ってしまい筋肉が減ってしまいます。
これは運動をすることで分泌されるホルモン「コルチゾール」の働きによるものです。
コルチゾールは、危険を感じた時にも分泌されるホルモンなのですが、脂肪ではなく筋肉を使い危機を回避しようとする働きがあります。
これにより筋肉がエネルギーとして消費されていくことになります。
マラソン選手のカラダに筋肉が少ないのはコルチゾールの働きも要因の1つです。
ランニングを毎日走るデメリット③:ケガのリスクが高い
ランニングを毎日走ることで「ケガ」のリスクが高くなります。
ランニングのケガのリスクは、「アメリカンフットボールよりも高い」と言われているくらいケガのリスクが高い種目です。
ランニングを毎日走る際は、十分なケアが必要になります。
ランニングを毎日走るデメリット④:食欲が増える
ダイエットには食事管理が必要になりますが、ランニングの様な長い時間の有酸素運動をすることで、食欲が増えてしまいます。
これも「コルチゾール」の影響のためです。
筋トレなどの短い時間の運動ではあまり多くコルチゾールが分泌されないため、筋トレの後は「食欲がでない」ことが多いのですが、ランニングなどの長い時間の有酸素運動では、コルチゾールが多く分泌され食欲が増進してしまいます。
精神的な強さがあれば乗り切ることができますが、なかなか難しい所でもあります。
ランニングを毎日走った時のダイエットの効果
ランニングを毎日走った時のダイエット効果は、食事管理をするかしないかでも結果は大きく変わってきますが、体重は平均1キロ減り、体脂肪も減らすことができます。
しかし、ご紹介したメリット、デメリットを見てもランニングがダイエットに向いている種目とはあまり言えません。
ランニングの消費カロリーは簡単な計算で出すことができます。
計算式は「体重×距離=消費カロリー」となります。
例えば、体重60キロの人が毎日4キロのランニングをした場合の消費カロリーは、「60×4=240」となり、4キロ走って240キロカロリーの消費、これを30日間走っても7200キロカロリーの消費になります。
1キロの体重を落とすには、7000キロカロリーを消費しなければなりませんので、約1キロしか落ちない計算になります。
このように、ランニングだけではダイエット効果は薄いという結果になります。
ダイエットだけが目的の場合は、ランニングにこだわる必要は特にないと言えます。
毎日走らない時のダイエット効果
ランニングを毎日走るのではなく、週に2~3回走る場合でも、ダイエット効果は見込めます。
走らない日に筋トレをする時間を作れば、ダイエットにはもっとも効果的と言えるでしょう。
筋トレをすれば、筋肉が減ってしまうランニングのデメリットを補うこともできます。
毎日走るよりも、ランニングを週に2~3回程度にし、気分転換を含めたトレーニングメニューにすれば、カラダも心もリフレッシュした状態を保ちながらダイエットをすることができます。
毎日じゃなくてもいい!ランニングで行うダイエットについての注意点
ランニングをメニューに入れてダイエットをする場合の注意点がいくつかあります。
- ケガをしないようにランニングシューズを履く
- 走る前に炭水化物をとる(筋肉の分解防止)
- 会話ができる程度のスピードで走る
- メリハリのあるカラダを求めるなら筋トレも行う
それぞれ詳しく解説していきます。
ケガをしないようにランニングシューズを履く
ランニングシューズは、ランニングに特化した設計になっており、走った時の衝撃を吸収する物や走りやすいように軽量な物まであります。
普段靴の様な「衝撃が強く伝わる靴」では、必ずケガの原因になりますので必ずランニングシューズを履くようにしてください。
走る前に炭水化物をとる
走っている時に炭水化物(糖質)が不足してしまうと、筋肉が分解されエネルギーとして使われてしまいます。
筋分解を抑制するためにも、走る前には「おにぎり」や「バナナ」などを食べて糖質をカラダに入れた状態で走るといいでしょう。
会話ができる程度のスピードで走る
速く走れば効果があるわけではなく、あくまで有酸素運動をすることに意味があります。
ですので、ランニングスピードは、会話ができる程度の速さで構いません。
極端に言えば、ウォーキング程度の速さでも効果はあります。
具体例をあげれば15分のウォーキングは、5分のランニングと同じ効果があり、無理に速く走らなくても十分有酸素運動として効果を得ることができます。
無理なく走れる速さで走りましょう。
メリハリのあるカラダを求めるなら筋トレも行う
筋肉が減っていくランニングのデメリットを補うほかにも、筋トレをするメリットがあります。
それは「基礎代謝を上げること」ができることです。
筋肉は、車で例えるなら「エンジン」にあたります。
エンジンを多くすることで、ガソリンにあたる「脂肪」の燃焼効果を高くしてくれます。
よりカロリーや脂肪を燃焼させるためにも、筋肉をつける「筋トレ」が必要になります。
筋肉があることによって、見た目もメリハリのあるカラダになることができますので、必ずダイエットメニューに入れましょう。
まとめ【ダイエットにランニングは毎日走るのがいい?】
①ランニングは週に2~3回程度
②会話ができる程度のスピードで走る
③走る時間は30分程度
④ケガ防止にランニングシューズを履く
⑤筋分解防止に炭水化物を走る前にとる
⑥筋トレの日を作り基礎代謝をアップさせる
ランニングのメリットとデメリットをご紹介しつつ、ダイエットに効果的なランニング方法をご紹介してきました。
ランニングをする目的が、あくまでもダイエットをするための有酸素運動であるならば、無理に毎日走ることは有効ではありません。
筋トレもしながら基礎代謝を上げたうえで、有酸素運動もするようにすると「体重が落ちなくなる」というスランプも回避できますので是非、筋トレにも力を入れてください。
[1]:出典:AFP BB NEWS
[2]:出典:研究論文
[3]:参考文献:大石修二(2015)『運動と酸化ストレス―活性酸素と 抗酸化防御のバランスの重要性―』,国立医療学会.