あなたは、ランニングとジョギングの違いってご存知ですか?
ランニングとジョギングには、様々な違いがあり、それらを理解することで、効果が高まったり、走力がアップします。 そこで今回は、ランニングとジョギングの違いについて、 ・競技レベルの違い ・スピードの違い ・心拍数の違い ・消費カロリーの違い ・効果の違い の観点から解説していきます。
ランニングとジョギングの違い①競技レベルの違い
ランニングは、記録に挑戦したり、順位を狙ったりと、競技力が比較的高めの人が行います。
それに対し、ジョギングは、初心者だったり、ダイエット目的だったりと、競技力が比較的低めの人が行います。
ジョギングをダイエットのために行う人が多いのは、ゆっくり走った方が脂肪が燃焼されやすいからです。
スピードを上げて走ると脂肪ではなく、糖が使われやすくなります。
そのため、体脂肪を減らしたいのであれば、ランニングよりもジョギングの方が良いです。
よって、ダイエット効果を高めるコツは、「ゆっくりでもいいから長く走る」ことです。
ペースが速過ぎれば、脂肪が燃焼されにくくなるだけでなく、長く走ることができないため、消費カロリーも少なくなってしまいます。
ランニングとジョギングの違い②スピードの違い
ジョギングとランニングでは、走るスピードが違います。
ランニングの方がジョギングより走るペースが速いです。
国立健康・栄養研究所のMETs表を参照にすると、ランニングは6.4km/h以上、ジョギングはランニングよりも遅いスピードとなっています。
このスピードを走るペースに換算しますと、ランニングは、9分22秒/km以内、ジョギングはランニングよりも遅いタイムとなります。
このペースを見て、
「ジョギングって、そんなに遅いの?」
と思われる人がいると思います。
確かに1km10分近くかかるというのは、歩きより若干速いぐらいですもんね。
これは、あくまでも国立健康・栄養研究所の分け方です。
人によっては、ランニングは5分/km以内、ジョギングはランニングより遅いタイムという人もいます。
一般に、競技レベルが高い人ほど、ランニングと呼ぶ基準のスピードが上がり、低い人ほどランニングと呼ぶ基準のスピードが下がる傾向にあります。
人によって個人差がありますが、「ランニングはジョギングよりもペースが速い」というのが基本です。
その人の競技レベルにより、ランニングと呼ぶ基準のスピードが上下します。
一流選手は、4分/kmでもジョギングと呼ぶ人もいるくらいです。驚きですよね。
ランニングとジョギングの違い③心拍数の違い
ジョギングとランニングでは、走っている最中の心拍数にも違いがあります。
先ほど、ランニングと呼ぶスピードの基準には、個人差があることが分かりました。
確かに、その人がゆっくりだと思えばジョギング、少し速いなあと思ったらランニングとなり、全ての人に当てはまる基準というものが存在しません。
しかし、走っている最中の心拍数が分かれば、だいたい自分がどのくらいの運動強度で走っているのかが分かるのです。
運動強度は、人によって変わることはありません。
したがって、走るスピードよりも明確に基準を設けることができます。
運動強度は、最大心拍数を用いる式が一般的です。
最大心拍数は、220-年齢という式か、800mのきついランニング何本か行い、そのときの最大の心拍数を知ることで求められます。
運動強度は、この最大心拍数に対する割合で求めるのです。
例えば、最大心拍数が200、走っているときの心拍数が100の人がいたとします。
100は、200の半分ですので、このときの運動強度は50%となります。
この運動強度で、ジョギングとランニングを分けるのです。
運動強度の目安は、以下の通りになります。
・90〜100%→上級アスリートの瞬発力向上に役立つ。
・80〜90%→短い運動時間で最大運動能力を高めるのに役立つ。
・70〜80%→有酸素能力を向上させるのに役立つ。
・60〜70%→基本的な持久力が増し、脂肪燃焼に効果的がある。
・50〜60%→運動不足の解消、体力の回復をサポートする
ジョギングの運動強度は、だいたい50〜70%です。
最大心拍数が200の人であれば、ジョギングの際には心拍数が120〜140になっているのが良いです。
ランニングの運動強度は、70%以上です。
最大心拍数が200の人であれば、ジョギングの際には心拍数が140〜200になっているのが良いです。
もし、自分が今ジョギングをしていると思っていても運動強度が70%以上であれば、それはランニングになってしまっているかもしれません。
しかし、「走っているときの心拍数ってどう測ればいいんだよー」と思う人がいると思います。
走っていふときに心拍数を指で測るということは不可能だと思うので、走り終わった直後に指で測るという方法があります。
手首に逆の手の指を当てて測ります。
30秒測って、その数字を2倍すると1分間のおよその心拍数が求められます。
しかし、走っている最中にも心拍数は、上下します。
ペースが上がったり、下がったりすることがあるからです。
そのため、走っているときの心拍数も測りたければ、心拍計がついた時計を利用するという手があります。
心拍計がついている時計の中には、運動強度まで求めてくれる便利なものあります。
走っている最中に時々を見てランニングを行なっていれば、運動強度が70%以上になっているか、ジョギングを行なっていれば運動強度が50〜70%になっているか確認し、それに応じてペースを調整しましょう。
同じペースで走っていても体力が上がれば、心拍数が下がります。
また、調子が悪い日であれば、いつものペースで走っているはずなのに心拍数が以上に高くなるときがあります。
心拍数は体力や調子を表すバロメーターになります。
心拍数を日々のトレーニングや大会時に活用することで、目的に応じた効果を引き出すことができるのでおすすめです。
ランニングとジョギングの違い④消費カロリーの違い
ジョギングとランニングでは、消費カロリーにも違いがあります。
消費カロリーは、当然ですが運動強度が高く、時間が長い方が高くなります。
消費カロリーは、以下の式で求められます。
消費カロリー(kcal)=運動強度(METs値)×時間(h)×体重(kg)×1.05
METs値というのは、運動強度を表す指標で、ジョギングとランニングによって変わります。
・ジョギング(約5.5km/h)の場合のMETs値は、4.3
・ランニング(約8km/h)の場合のMETs値は、8.3
例えば、体重60kgの人の場合、
・ジョギングを1時間行うと270kcal消費
・ランニングを1時間行うと522kcal消費
見てもらうと分かるようにジョギングとランニングでは、同じ時間行なっても2倍近く消費カロリーが違うことが分かります。
しかし、だからといって速く走る方が良いというわけではありません。
速く走ってしまうとすぐに疲れてしまい、長い時間走れなくなってしまう可能性が高いからです。
また、速いペースで走るのはゆっくりとしたペースで走るよりも苦しいです。
そうなってしまうと走ることが楽しいものではなく苦しいものになってしまい、長続きしません。
せっかく走るのを始めても、苦しいからといってやめてしまえば、せっかくの効果も台無しになってしまいます。
特に、ダイエット目的で走っている人は、ゆっくり長時間走れば消費カロリーは多くなってくるので、「ゆっくり長く」をモットーに走りましょう。
ランニングとジョギングの違い⑤効果の違い
ジョギングとランニングでは、効果にも違いがあります。
まずは、ジョギングの効果から説明します。
ジョギングは、基本的にはランニングよりもゆっくりとしたペースで走ります。
ジョギングの効果は、
①脂肪が燃焼される
②怪我しにくい体を作ることができる
③毛細血管が増える
④リラックス効果がある
ジョギングの効果:①脂肪が燃焼される
ゆっくりと走る方が脂肪が燃焼されやすいです。
ペースを上げると、脂肪よりも糖の方が多く使われます。これは、脂肪をエネルギーに使う際酸素を多く必要とするため、ペースを上げて酸素摂取量が下がるほどエネルギーの供給減を糖に切り替えるからです。
ジョギングの方が、脂肪が消費されやすく、なおかつ体脂肪を減らすことができるので、ダイエットに効果があります。
ジョギングの効果:②怪我しにくい体を作ることができる
ランニングはジョギングよりも速いペースのため、体にかかる負担が大きいです。
そのため、怪我をするリスクをはらんでいます。
それに対しジョギングはゆっくりとしたペースのため、体にかかる負担が小さく、怪我もしにくいです。
体にかかる負担が小さいといっても、ジョギングは筋肉や骨格が丈夫になります。
ジョギングで脚を着地させる際、体には体重の約2倍の衝撃が加わります。
その衝撃に耐えられるように、筋肉や骨が丈夫になっていくのです。
筋肉や骨が丈夫になれば、怪我をしにくい体を作ることができます。
ジョギングの効果:③毛細血管が増える
ジョギングを行うことで、筋肉に酸素を運搬させるための微細な血管(毛細血管)が増えます。
毛細血管が増えれば、体中に効率的に酸素を送れるようになります。
ジョギングの際、体中に酸素を効率的に送ることは、筋肉の活動を維持するために大切なことです。
筋肉に酸素を送れなくなれば、酸素不足でジョギングができなくなってしまいます。
反対に、酸素が体中に十分に行き渡っていれば、長い時間走り続けることができます。
そのため、ジョギングを行うことでジョギングに適した体が作り上げられるのです。
走ることが楽になること間違いなしです。
ジョギングの効果:④リラックス効果がある
ジョギングはランニングよりペースが遅いので、苦しくなく、逆に体をリラックスさせる効果があります。
軽い運動を行うことで、脳から幸福ホルモンの一種であるドーパミンやセロトニンが放出されるからです。
軽い運動後に気持ち良さを感じるのはこれらのホルモンが放出されるためです。
次に、ランニングの効果を解説します。
①最大酸素摂取量が高まる
②LT値が高まる
③スピードがつく
④メンタルが強くなる
ランニングの効果:①最大酸素摂取量が高まる
最大酸素摂取量とは、一定時間にどれだけの酸素を取り込めるかという指標のことです。
一般的に速いランナーほどこの指標が高い傾向にあります。
酸素を多く取り込めた方が、体に酸素を回すことができ、酸欠状態を防ぐことができるからです。
しかし、最大酸素摂取量を高めるには、ジョギングではなく、インターバルなど速いペースでのランニングが必要です。
レース終盤でも酸素不足を防ぎ、速いペースで走りたい人はぜひランニングに取り組みましょう。
ペースに関しての詳しい紹介記事はこちらです。
【ランニング中級者~上級者向け!】トレーニング別の最適ペースについて!
ランニングの効果:②LT値が高まる
LT値とは、乳酸が一気に溜まり始めるポイントのことを言います。
乳酸とは、糖が酸素を使わずにエネルギーを産生する過程で発生する物質で、溜まり過ぎると疲労の原因となります。
しかし、乳酸はある程度時間が経ったり、休養を設けることで、再びエネルギー物質に戻るという性質も兼ね備えていますので、「乳酸が一気に溜まる」ことを防ぐことが重要です。
そのためには、早いペースのランニングをし、体をペースに慣らすことが大切です。
ランニングの効果:③スピードがつく
当然ですが、ゆっくりとしたペースではスピードはつきません。
ジョギングではなく、ランニングを行うことでスピードをつけることができます。
スピードをつけることで少しペースを落とした時、そのペースを楽に感じることができます。
また、スピードは、ラストスパートなどで非常に重要な要素となってくるので、競技の際にはライバルに競り勝つこともできます。
ランニングの効果:④メンタルが強くなる
ランニングはジョギングよりきついです。
時には、途中であきらめたくなることもあるでしょう。
しかし、そのきついランニング行うことで、強いメンタルが養われます。
まとめ【ランニングとジョギングの違いについて、初心者でも分かりやすく解説!】
ジョギングとランニングには以下のような違いがありました。
・競技レベル(ジョギングは低め、ランニングは高め)
・スピード(ジョギングよりランニングの方が速い)
・心拍数(ジョギングは最大心拍数の50〜70%、ランニングは70%以上)
・消費カロリー(同じ時間であれば、ジョギングよりランニングの方が大きい)
・効果(ジョギングは健康に、ランニングは走力アップ中心の効果がある)
普段、ジョギングとランニングをきちんと区別していたランナーは少なかったと思います。
こんなにもジョギングとランニングには違いがあったんですね。
違いが分かれば、自分の目的に応じた練習を行うことができるはずです。
この記事を読み、ジョギングとランニングの違いについて理解し、さらに充実したジョギング or ランニング ライフが送れれば幸いです。