野球はルールが複雑で難しい…
そうイメージする人も多いでしょう。
しかし、実はとてもシンプルで、合計9個のポジションを覚えれば、あとはアウトになる状況を把握するだけです。
野球は点取りゲームですが、アウトを取らなければ攻撃はできません。したがって、アウトの取り方を最優先に覚えることをオススメします。
今回紹介する基本的なルールを覚えれば、あなたも立派な野球通になれること間違いなしです。
野球通になって、観戦もプレーも楽しみましょう。
今さら聞けない!野球の超基本ルール3つ
野球の超基本ルール①イニング制
まずは、野球の超基本のルールとして試合の進行方法を解説します。
そもそもの基本の知識として、イニングとは、スポーツにおいて攻撃を行う間の試合のことを指しており、野球でのイニングは「回」といい「表」と「裏」で構成されます。
野球は1回の攻撃を3アウトになるまで続けます。つまり、アウトが3つ出た時点で攻守が入れ替わります。
この攻防戦を9イニング繰り返し、多く得点したチームの勝利です。
先攻のチームが表、後攻のチームが裏の攻撃をします。
先攻のチームが9回表の攻撃を終了して負けていた場合、後攻のチームは裏の攻撃をしなくても勝利が確定しているため「×」と表記します。(例①)
また、後攻のチームが9回裏に勝ち越した場合はサヨナラ勝ちとなり、例えば2得点だとしたら「2X」と表記します。(例②)
野球の超基本ルール②フェアとファウル
野球のルールとしてまず押さえなければならないのが、フェアとファウルの区別です。
グランド上に引かれているファウルラインでフェアかファウルかを区別します。ボールがファウルラインより外側に落ちるとファウル、内側に落ちるとフェアになります。
次に、ファウルラインのギリギリを打球が転がるケースですが、ボールがベースの内側(フェアゾーン)を通過した後、ファウルゾーンに転がるとフェアになります。
しかし、ベースの手前でボールがベースの内側(フェアゾーン)を通過した後、ファウルゾーンに転がるとファウルになります。このように、ベースの手前と奥で判定が変わりますので注意が必要です。
フェアとファウルの判断は、実際に何度か打球を見て慣れる必要があります。
野球の超基本ルール③三振・四球・死球について
野球のルールの中で、投手と打者の対決にかかわってくるのがストライクとボールです。
打者が投手からストライクを3つ取られると三振となり、その前に投手が打者にボールを4つ投げてしまえば四球(フォアボール)となり、打者は出塁します。
また打者がファウルを打つと、ボールアカウントが0ストライクから1ストライクまでの場合は、ストライクとみなされ、1回のファウルにつきストライクが1つカウントされます。
しかし、2ストライク以降は、何本ファウルを打ってもボールカウントは2ストライクのままです。しかし、2ストライクでバントを失敗した場合は3バント失敗でアウトになります。
打者に直接投球をぶつけてしまうと死球(デッドボール)となり、打者は1塁に出塁します。
【野球の基本ルール①】9個のポジションを覚えよう
野球のルールで肝心なのが各ポジションの把握です。
野球は投球をする投手(ピッチャー)と投球を受ける捕手(キャッチャー)のバッテリー、内野手として一塁手(ファースト)、二塁手(セカンド)、三塁手(サード)、遊撃手(ショート)の4ポジション、外野手として左翼手(レフト)、中堅手(センター)、右翼手(ライト)の3ポジションから成ります。
また、プロ野球のパリーグなどで採用されていますが、守備にはつかず、投手に変わって打席に立つ、攻撃専門の選手を指名打者(DH Designated Hitter)と言います。
各ポジションによって役割が決まっているので、ポジションごとの特徴や役割、どんな選手が向いているのかを見ていきましょう。
なお、下記の表に記載の背番号は主に高校野球までのカテゴリーで使われるものです。プロ野球など大学野球以上のカテゴリーでは、ポジションと背番号に特に因果関係はありません。
<バッテリー>
・投手(ピッチャー、背番号1) |
野球はまず投手がストライクを投げないことには始まりません。そのため速い球だけでなく、コントロールに優れている必要があります。 |
・捕手(キャッチャー、背番号2) |
投手が投げた球をしっかりと捕球するのが捕手の役割です。また盗塁に対応するため、肩の強さが求められます。 |
<内野手>
・一塁手(ファースト、背番号3) |
一塁手は他の内野手の送球を捕るのが最大の役割です。そのため背が高いとより優れています。 |
・二塁手(セカンド、背番号4) |
二塁手は送球距離が短いため、肩の強さはそれほど要りません。しかし守備範囲が広く、かつさまざまなカバーリングをこなさなければならないため体力が必要です。 |
・三塁手(サード、背番号5) |
三塁手は送球距離が長く、肩の強さが不可欠です。また強い打球が飛んでくるため、反射神経の良さが求められます。 |
・遊撃手(ショート、背番号6) |
遊撃手は野球の華と言われます。広い守備範囲とそれなりの送球距離があるため、足が速く肩の強い選手が適任です。 |
<外野手>
・左翼手(レフト、背番号7) |
左翼手はもっとも守備負担が少ないポジションで、打撃に優れた選手が起用されることもしばしばです。ここに足が速く肩の強い選手を入れると他のチームと差が付きます。 |
・中堅手(センター、背番号8) |
中堅手は外野手の中心で、守備範囲がもっとも広大です。したがって何よりも足の速さが大事です。 |
・右翼手(ライト、背番号9) |
右翼手は外野手の中でも肩の強さが特に必要です。また守備範囲が狭いと三塁打になってしまうため、足の速さも求められます。 |
・指名打者(DH、背番号は決まりなし)
投手に代わって打撃のみを行うポジションです。たいていは守備力には不安があるものの、打撃には自信がある人が入ります。
【野球の基本ルール②】アウトの取り方を覚えよう
野球は基本的に1つのプレーのアウトセーフを競い合う競技であり、そこに関わるルールは特別複雑だと認識されているでしょう。
しかし、実際押さえておけばいいおおまかなアウトの基本の種類は、走者の場合のアウトで5種類、打者のアウトで5種類です
それぞれ詳しくご紹介します。
打者のアウト
打者のアウト①見逃し三振・空振り三振
アウトの取り方としてまず浮かぶのが、三振を奪うことではないでしょうか。
見逃し三振は、2ストライク以降で、球がストライクゾーンを通過する時に見逃した場合のアウトです。
空振り三振は、2ストライク以降の投球を空振りしてアウトになることです。
アウトの取り方としてまず浮かぶのが、三振を奪うことではないでしょうか。
見逃し三振は、2ストライクの時に打者がバットを振らずに投球を見逃し、ストライクの判定になり、三振でアウトになることです。
空振り三振は、2ストライクの後の投球を空振りしてアウトになることです。
バットに球を当てさせなければ何も起こらずアウトになるので、三振を奪うことは、もっともシンプルなアウトの取り方です。
打者のアウト②ゴロアウト
アウトの取り方の2つ目はゴロアウトです。
ゴロとは、野手が捕球する前にフェアグラウンド内をバウンドした打球のことを指します。例えフライ性の打球であっても、野手が捕球する前にバウンドしていればその打球はすべてゴロ扱いとなります。
その球を守備側の選手が捕球して、一塁ベースへ投げたボールが打者が一塁ベースに到達するよりも早ければアウトとなります。
打者のアウト③バッターズボックス
打者はバッターズボックスに両足を置いた状態でボールを打たなければならず、片足でも出て球を打ったら、その時点でアウトになります。ただし、白線を少しでも踏んでいればアウトになりません。
さらに、投手が球を投げようとしているときに打者がバッターズボックスを移ってもアウトです。
打者のアウト④守備妨害
守備妨害とは読んで字のごとくで、守備を妨害したらその時点で該当走者がアウトになります。
守備をしている野手に対して接触してしまったら、怪我のもとになってしまうからです。
打者のアウト⑤フェアボール
打者がボールを打った後、その球にバットが当たってしまったり、バッタースボックス外で打者本人の体に当たるとそれはアウトになります。
しかし、打者がボールを打った後、フェアグラウンドに置いているバットに転がってきたボールが当たった場合は、審判によってアウトかセーフかどうかが判断されます。
打者のアウト⑤フライアウト
フライとは、野手が捕球をするまでにバウンドしない、つまり地面につく前の打球を指します。その打球を守備側の野手がキャッチした場合がフライアウトです。
中でも強くて低い打球はライナーと呼ばれますが、その性質はフライと共通するため初心者であれば無理に区別をする必要はありません。
またフライには「タッチアップ」や「インフィールドフライ」というルールがあり、こちらは高い確率で発生するものなので下記で詳しく解説します。
フライアウトに関するルール①タッチアップ
タッチアップとは、守備側の目線で記すと「フライが上がった時に野手が捕球するまで走者は進塁できない」ルールです。
高く上がったフライに対して、その間も走者が進塁できてしまっては守備側にあまりに理不尽なためこのルールがあります。
このルールを違反した走者に対し、飛び出した走者がいた塁に送球をして間に合えば走者はフォースアウトとなります。
(厳密には、フライが上がった時に野手が捕球してから走者が進塁することをタッチアップと呼びます。)
フライアウトに関するルール②インフィールドフライ
インフィールドフライは、走者が1,2塁および満塁で内野にフェアフライが上がった時に限り適応されます。
この時、野手が打球を捕球するかしないかにかかわらず審判がインフィールドフライを宣告すれば打者がその瞬間にアウトになります。
このルールは後述するフォースアウトのシチュエーションにあり、野手が落球してしまった時に複数のアウトを取ることができてしまうため設けられました。
走者のアウト
走者のアウト①フォースアウト
アウトの取り方の中で、アウトの種類としてフォースアウトとタッチアウトの2種類があります。
フォースアウトとは、打者よりも早くベースにボールを送り、送球の受け手がベースを触ればその瞬間にアウトが成立するルールです。走者が1,2塁の時の二塁と三塁、走者満塁の時のすべての塁およびすべてのゴロの1塁が該当します。
走者のアウト②タッチアウト
タッチアウトとはその名の通り、ボールを持った状態でベースを踏んでない走者にタッチをすればアウトになります。これはいかなる場合でも有効で、フォースアウトが成立する場面でもタッチアウトを選択しても構いません。
ただし、フォースアウトが成立しない走者には必ずタッチをしなければアウトになりませんので注意が必要です。
走者のアウト③オーバーラン
オーバーランとは、走塁のときにベースを通り過ぎてしまうことです。
出塁した際にベースを踏んでいない走者は、ボールでタッチされたときアウトになります。
ただし、一塁の場合は、二塁に進もうとしなければ、すぐにアウトにはなりません。
走者のアウト④ラインアウト
走者の走路の基本は、塁と塁を結ぶ直線のベースラインから、左右3フィールドの間です。
その走路を、野手の触球を避ける時に離れて走るとアウトになります。たとえボールでタッチされていなくても、3フィールド以上離れてしまった時点でアウトです。
走者のアウト⑤リタッチ
リタッチとは、走者が帰塁しなければいけない塁へ帰ってベースに触れることです。
バッターが打ち上げたフライやライナーを捕球された場合、塁上にいる走者は元の塁に帰塁する必要があります。帰塁する前に元の塁に送球もしくはタッチをされると走者はアウトになります。
アウトを取れなければ、打者は出塁し、走者は進塁する
以上のアウトの取り方10つに該当しない場合、打者はアウトにならず塁に残り、走者は次の塁に進めます。
打者を一塁から三塁、そしてベースまで進めたチームに得点が入ります。
安打とは「アウトにできない打球を打った」と解釈することで、野球がシンプルになるので、おすすめです。
まとめ【ルールを覚えて野球を楽しもう】
以上に記述したルールを覚えれば、野球をプレーする際も観戦する際も困ることはありません。
例えば送りバントや盗塁、ヒットエンドランなどの作戦もすべては上記のアウトの取り方にあてはめれば単純です。
初心者であれば、まずは野球という競技のスピードやパワーを体感することがおすすめです。
その上で野球の奥深さを知り、ルールや作戦について学びを深めればさらに選手のすごさを実感することができます。
野球は得点とアウトを巡るゲームです。
アウトを取れるか取れないかで見るとシンプルでわかりやすくなりますので、アウトに注目してみてください。